
私たちはどんな立場であったとしても誰もが最終的には「市民」です
テクノロジーを活用した市民の手による地域課題の解決(シビックテック)の未来について語るイベント「CIVIC TECH FORUM 2017」(以下CTF)が25日(土)に、東京・千代田区のNagatacho GRIDにて開催されました。
社会のサービスを提供するプレイヤーには大きく三つあります。 税金の再分配をすることで社会に対してサービスを提供してきた行政(公共セクター)、資本主義のエコシステムに則ってサービスを提供する企業(民間セクター)、そしてそのどちらでもない非営利型の市民コミュニティ(市民セクター)です。
今回で3回目となる同イベントでは、 行政・企業・市民コミュニティ、3つの視点から、CIVICTECHについて考え、ディスカッションされました。
そして、イベントのオープニングでは、本イベントの運営委員長である福島健一郎氏(一般社団法人コード・フォー・カナザワ 代表理事)より、イベント趣旨が述べられました。
私たちはどんな立場であったとしても誰もが「市民」です。最終的には3つの壁を乗り越えて考えていくべきであり、今回はそんなCTFになればいいなとおもっている。

▶CIVICTECHFORUMとは
「CIVICTECH」とは、シビック(Civic、市民の・みんなの)とテック(Tech、テクノロジー)をあわせたもので、「テクノロジーを活用しながら自分たちの身のまわりの課題を自分たちで解決していこう」という考え方やムーブメントを意味する言葉です。
「FORUM」とは古代ローマの市の中心に設けられた公共広場〈フォルム〉に発し,広く公共的討論の場や,集団的公開討論法の一種を意味するようになったと言われております。
「CIVICTECHFORUM」は「場」であり、CIVICTECHに関する公共的討論が進んでいくためのプラットフォームです。
同イベントは、「CIVIC TECH FORUM 2017 運営委員会」主催のイベントで、株式会社リクルートホールディングスがメインパートナーとなり、各地域のCIVICTECH団体などがパートナーとなっています。
▶主要セッション
今年は「行政」「企業」「市民コミュニティ」の3つにセクター毎にセッションが組まれており、大人数が入れるメインステージと、登壇者と参加者の距離がとても近いインタラクティブステージの2つのステージで並行して行われました。そして、最後は参加者全員で、興味のあるテーマについてディスカッションをするという構成でした。
主なセッションは以下のとおりです。
※後日、それぞれのセッションについて詳しくレポートしていく予定です。
<メインステージ>
・社会の課題とテクノロジーのギャップ〜テクノロジーは課題を解決できるのか〜
└太田直樹氏(総務大臣補佐官)など
・社会インフラとなったオープンソースコミュニティに学ぶコミュニティ運営のコツ /市民セクター
└福島健一郎氏(一般社団法人コード・フォー・カナザワ 代表理事)など
・ランチ食べながら聞く事例LT
└のとノットアローン など
・インパクトを生みだすためのこれからの社会システム
└鴨崎貴泰氏(日本ファンドレイジング協会 事務局長)など
・社会的領域におけるアクセラレーターの役割/企業セクター
└栗島祐介氏(Supernova Inc. Co-Founder & Director)など
・Local GovTechとは何か?/行政セクター
┣データ駆動時代における行政とは?/竹田正樹氏 (ヤフー株式会社)など
┗書籍紹介「未来政府 プラットフォーム民主主義」/稲継裕昭氏(早稲田大学教授)
・シェアリングエコノミーがもたらす地域の変化/企業セクター
└石井重成氏(釜石市 オープンシティ戦略室 室長)など

<1Fインタラクティブステージ>
・障がい支援の現場とテクノロジー活用/企業セクター
└成澤俊輔氏(NPO法人FDA 理事長)など
・21世紀の公共交通(モビリティ)について考える/行政セクター
┗伊藤昌毅氏(東京大学)など
・コミュニティ運営のやりくり/市民セクター
┗村上純志氏(NPO法人AIP 理事)など
・学生とシビックテック/市民セクター
┗新井イスマイル氏(奈良先端科学技術大学院大学 総合情報基盤センター 准教授)など
・本当のオープンデータの話をしよう/市民セクター
┗瀬戸寿一氏(東京大学空間情報科学研究センター・特任講師)など
<アンカンファレンス(創造的井戸端会議)>
・これから始めたいこと、協働したいこと、いろいろな人と話してみたい悩みやテーマ
┗登壇者、参加者全員

▶イベント全体の雰囲気
シビックテックのイベントに相応しく、オープンな雰囲気で、参加者は多様性に溢れ、手作り感があり、随所に気配りも感じられました。
これは各地域で活動する方たちにとっては、イベント主催する際の参考になるかと思いますので、ここで紹介したいと思います。
.ッズルーム
会場には、キッズルームがあり、保育士さんもいらっしゃいました。また、オムツ替えや授乳するための仕切りカーテンもあり、子どもと一緒に講演を聞ける環境が整っていました。
親子で参加できるイベントは、パパやママにとってありがたいですよね。
▲謄ノロジー学習ツールTouch & Tryコーナー by TMCN - Tokyo MotionControl Network
テクノロジー大好き集団TMCNが注目する、子どもたちを夢中にするテクノロジー&プログラミング学習ツールが体験できるスペースがあり、子どもだけでなく大人も楽しんでいました。CIVICTECHは課題解決をするものとはいえ、楽しんでやることが大切というメッセージが聞こえてくるようでした。
グラフィックレコーディング
グラフィックレコーディング(グラレコ)という、講演や会議の内容を、イラストや図解を使ってリアルタイムに共有化する手法が用いられていました。グラレコはリラックスルームに貼りだされ、多くの参加者の方は写真をとられていました。家に帰っても講演を振り返れていいですね。
すべてのグラレコはこちらから見られます。 ⇒ CIVICTECHFORUM2017のグラレコ
ぅ螢薀奪スルーム
メインステージの隣の部屋では、ソファー席がいくつか用意されており、リラックスして講義を聞くスペースが設けられていました。
また、Twitterの様子がモニターに映し出されていたり、各地で活動しているシビックテック団体のポスターやグラフィックレコーディングの展示もあり、休憩の間に楽しめるコンテンツもありました。
疲れたタイミングで、コーヒーや各地の特産品のおやつなどの提供もあり、参加者に対する気配りも感じられました。

▶イベントの様子
講演などの詳しいレポートは随時更新していきますが、当日の動画、写真、ツイートのまとめがCIVICTECHFORUMの公式アカウントから発信されており、イベントの様子(雰囲気)が伺えます。参加された方は振り返りに、参加できなかった方は次回の参考に、ご覧になってはいかがでしょうか。
YouTube(動画)
Flickr(写真)
togetter(つぶやきまとめ)<関連ブログ>
・地方にテクノロジーを実装するために必要なこと──「CIVIC TECH FORUM 2017」で語られた「地方創生のカギ」/WIRED
・CIVIC TECH FORUMに参加して/日々是好日(太田さんのブログ)
・CivicTechForum2017に参加しました!/ユビ研の日常
・バスは3時間に1本、最終は19時台。そんな地域で育った私が「CIVIC TECH FORUM 2017」で感じた、”これからの公共交通”への期待/greens
・ライドシェアとデマンド交通が補完する公共交通の今後/新・公民連携最前線
・シェアリングエコノミーが地域にもたらす変化とは/新・公民連携最前線
・社会インフラとなったオープンソースコミュニティに学ぶコミュニティ運営のコツ─CIVIC TECH FORUM 2017/CodeIQ
━━蛇足(めんどくさいこというよ)━━━━━━
懇親会では、初めての試みとなる「勝手にCIVICTECH大賞」の発表がありました。
勝手にCIVICTECH大賞とは、全国の地域でシビックテックに関する優れた取り組みを行い、地域の発展に大いに尽力された、個人、団体、プロジェクトに対しその功績をたたえ、CIVIC TECH FORUMが勝手に表彰をするもの。
いろんなひとが、いろんなひとの活動を褒める文化を作っていきたいです。
みなさまも、自分のブログなどで勝手に表彰してみませんか?それがきっかけで、その人は勇気づけられるかもしれません。
著者プロフィール:鈴木まなみ(@rin2tree)

CivicWave運営メンバーの一人。
2歩先の未来をよむブログメディア「TheWave」の湯川塾の事務局を務め、テクノロジーの最新動向をウォッチしながら、コミュニティ運営や執筆活動中。
また、MashupAwards8〜11の事務局を務め、内外のコミュニケーション全般を担当。