
日本のCIVICTECHはまだ死んでいない!
クノロジーを活用した市民の手による地域課題の解決(シビックテック)の未来について語るイベント「CIVIC TECH FORUM 2016」が27日(日)に、東京・港区の建築会館にて開催されました。
今回で2回目となる同イベントには、金沢、会津、鹿児島、徳島など、全国各地からCIVICTECH実践者が集まり、さまざまな視点からCIVICTECHの「今」や「これから」について語られました。
日本でCIVICTECHという言葉が生まれてからおよそ3年たちましたが、うまくいっている地域は多くありません。「市民の手で解決していく」というアイデアはすばらしいものの、実践していくと相当な困難が待ち受けており、なかなか続きません。熱意だけではアクションできない時期にきており、継続して実施していくには何が必要なのか?そんなことをみんなで考えたくてプログラムを組んだそうです。
イベント最後には、本イベントの運営委員長である柴田氏より、
「裏テーマとしては”日本のCIVICTECHは終わりが近いんじゃないか?”という危機意識をもっていました(柴田氏)。」
との本音も飛び出しました。しかし、今回のイベントを通し、柴田氏は
「TECHの強さの一つはつながること。このイベントにこれだけの人がいるというこの事実は、熱意が可視化されている状態だと思っています。こういったつながりを励みにまだまだやっていけると感じました。日本のCIVICTECHはまだ死んでいない!(柴田氏)」
と、力強く最後を締めていました。
▶CIVICTECHFORUMとは
「CIVICTECH」とは、シビック(Civic、市民の・みんなの)とテック(Tech、テクノロジー)をあわせたもので、「テクノロジーを活用しながら自分たちの身のまわりの課題を自分たちで解決していこう」という考え方やムーブメントを意味する言葉です。
「FORUM」とは古代ローマの市の中心に設けられた公共広場〈フォルム〉に発し,広く公共的討論の場や,集団的公開討論法の一種を意味するようになったと言われております。
「CIVICTECHFORUM」は「場」であり、CIVICTECHに関する公共的討論が進んでいくためのプラットフォームです。
今回が2回目の開催となる同イベントは、「CIVIC TECH FORUM 2016 運営委員会」主催のイベントで、株式会社リクルートホールディングスがメインパートナーとなり、各地域のCIVICTECH団体などがパートナーとなっています。
初めて開催された昨年のテーマは「公共とITの新しい関係」でした。それから1年が経ち、様々なシビックテックが各地で実践されていますが、行き詰まりを感じているところも多くあるようにも思います。まだ産声をあげて間もない日本国内のシビックテックは、経済活動(ビジネス&テクノロジー)としての生態系も、地域活動(ローカル)としての生態系も現在模索中なのではないでしょうか。
今年で2回目となる同イベントは、継続して実施していくためには何が必要なのか?を議論するため、資金調達の面、アメリカ事例との比較、広がり続ける石川県金沢市のCIVICTECHの実例など、さまざまな角度からの議論が繰り広げられる構成となっていました。

▶主要セッション
今年のテーマは「ビジネス&テクノロジー」と「ローカル」の2つに分かれて話され、合計で8つのセッションが行われました。
・基調講演/稼ぐまちが地方を変える
└木下斉氏(一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス)
・CIVICTECHの資金調達環境、「今」と「これから」
└岡本拓也氏(ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京代表理事)など
・テクノロジー×シビックテック最前線 実証実験・スタートアップの発表
└「ドローン宅配」:鯉渕 美穂氏(MIKAWAYA21株式会社)
└「SORACOMを利用した除雪車位置情報把握システム」:前田 諭志氏(株式会社デザイニウム )
└「ビーコンを使った街での見守りサービス」:山本 文和氏(株式会社otta)
・米国シビックテックをめぐるエコシステムとコミュニティの可能性
└市川裕康氏(ソーシャルカンパニー)など
・ローカルと大企業のシビックテック リクルートの事例
└麻生要一氏 株式会社リクルートホールディングス Media Technology Lab. 室長
・ローカルシビックテック実践(徳島、会津、肝付、千葉)
└「交通、防災編」:坂東勇気氏(Code for Tokushima エンジニア兼代表)など
└「高齢者、市民協働編」:能勢佳子氏(肝付町役場企画調整課参事兼福祉課保健師)など
・ローカルにおけるシビックテックの哲学
└西本浩幸氏(株式会社デザイニウム オープンデータ推進員)など
・まるごと金沢市 ローカルにおけるシビックテックの役割
└福島健一郎氏(一般社団法人コード・フォー・カナザワ 代表理事)など
まずは速報として、当日のつぶやきがtogetterにてまとめられておりますのでそちらを参照ください。
⇒CIVIC TECH FORUM 2016【イベント全体】

▶イベント全体の雰囲気
イベントで伝えたいことと、そのイベントの空気感の一致性はとても大切だと思っています。CIVICTECHFORUM2017では、多様性(特に子ども)を受け入れる空気感、楽しい雰囲気、手作り感など、随所に雰囲気作りを感じられました。
これは各地域で活動する方たちにとっては、イベント主催する際の参考になるかと思いますので、ここで紹介したいと思います。
.ッズスペース
会場入口近くにキッズスペースがあり、子どもと一緒に講演を聞ける環境が整っていました。スペース脇に椅子とモニターが準備されており、保育士さんも2人(男性と女性)いらっしゃいました。
また、オムツ替えや授乳するための専用の部屋もあり、安心してお子さまと一緒にイベントに参加されている親子の姿が垣間見られました。親子で参加できるイベントって素敵ですよね。
子どもの存在が、イベントの雰囲気を作り出しているようにも思いました。

▲謄ノロジー学習ツールTouch & Tryコーナー by TMCN - Tokyo MotionControl Network
テクノロジー大好き集団TMCNが注目する、子どもたちを夢中にするテクノロジー&プログラミング学習ツールが体験できるスペースがあり、子どもだけでなく大人も楽しんでいました。CIVICTECHは課題解決をするものとはいえ、楽しんでやることが大切というメッセージが聞こえてくるようでした。
体験可能な学習ツールは、こんなに沢山のものが準備されていました。
PETS|littleBits|Springin’|CodeMonkey|Sphero SPRK|MESH|Moff Band|LEGO WeDo 2.0

マルシェ
中庭では、登壇者やパートナー団体各地の特産品が飾られ、受付でもらったCTFコインとの交換でおみやげ品として持ち帰れるようになっていました。ここもお楽しみ要素ですね。また、当日は寒かったので温かい珈琲も準備されていました。その休憩スペースも、りんご箱で演出されているなど、手作り感満載(なのにおシャレ!)。自分たちで作り出していくことの大切さ、暖かさを感じました。
※ちなみに特産品一番人気は、徳島の大野海苔だったそうです。

Ask Me Anything /何でも質問コーナー
登壇者の方々と直接の交流が取れるAMA (何でも質問)コーナーが、広場が眺められるホール脇で開催されており、近い距離で登壇者の方とお話している参加者の方の顔は真剣そのものでした。登壇者も参加者も関係なく、一緒によりよい社会のために、対等に話す姿がそこにはありました。

ゥ哀薀侫ックレコーディング
グラフィックレコーディング(グラレコ)という、講演や会議の内容を、イラストや図解を使ってリアルタイムに共有化する手法が用いられていました。グラレコは会場入口付近に貼りだされ、多くの参加者の方は写真をとられていました。家に帰っても講演を振り返れていいですね。
すべてのグラレコはこちらから見られます。 ⇒ CIVICTECHFORUM2017のグラレコ

▶イベントの様子
講演などの詳しいレポートは随時更新していきますが、当日の動画、写真、ツイートのまとめがCIVICTECHFORUM2016の公式アカウントから発信されており、イベントの様子(雰囲気)が伺えます。参加された方は振り返りに、参加できなかった方は次回の参考に、ご覧になってはいかがでしょうか。
YouTube(動画)
Flickr(写真)
togetter(つぶやきまとめ)
■掲載メディア一覧
・ITによる地域課題解決の最新事情がわかる/MdN Design Interactive
・ローカルと大企業のコラボ、成功の鍵は「地域を主体にテックはシンプル/HRナビ
・ドローン宅配、除雪、子供の見守り、限界集落──地域課題を解決するシビックテックが広がる/codeIQ
・米国で広がるCivicTech、テクノロジーで地域課題を解決/digital-innovation-lab