東京、岐阜、川崎、横浜、金沢がつながったオンライン井戸端会議
ブログやFacebookページなどで発信しているだけだと顔が見えません。
日本全国のみなさまと「顔を合わせたお付き合いをしたい!」ということで、CivicWaveでは、オンライン井戸端会議はじめました。
第10回目となった今回は7名の参加となり東京、岐阜、川崎、横浜、金沢といった地域がつながりました。
今回はテーマを設定しないフリートークとしてそれぞれ話したいことを自由に話す、質問するというスタイルで進みました(だんだん定番となってきました)。井戸端会議ならではのカジュアルな雰囲気の中、みなさんリラックスをして話をしていたのが印象的でした。とはいえ初めての方もいらっしゃるので自己紹介や、井戸端管理人の小俣さんから「話題フリ」もあるので、新しい方も楽しめますね。
今回は主に、
・CIVICTECHFORUM 2017 の振り返り・感想
・セッションの1つである「学生とシビックテック」に関する意見振り返り
・セッションの1つである「オープンデータ」に関する意見振り返り
などの情報共有や雑談をしました。
▶CIVICTECHFORUM2017どうだった?!
CIVICTECHFORUM2017(以下CTF2017)に参加した方も参加しない方もいらっしゃいましたが、冒頭からCTF2017の感想を述べていく形で進み、途中からそれぞれの気になるトピックスを取り上げ深く議論をしていきました。
CIVICTECHFORUM2017とは、テクノロジーを活用した市民の手による地域課題の解決(シビックテック)の未来について語るイベント。CivicWaveのメンバーも運営委員として参加をし且つCivicWaveがメディアパートナーとして各セッションの振り返り等を行っております。 →CTF2017記事一覧
▶「学生とシビックテック」セッションについて
ある人が感想の中で触れた「学生とシビックテック」のセッションについての、井戸端会議が広がりましたのでそちらについてお伝えいたします。
※当日の様子は以下の動画、twitterまとめ等をご確認ください。
動画(学生とシビックテック)|twitterまとめ(学生とシビックテック)
筆者は当日このセッションには参加できなく、且つまだ動画も振り返りができておりませんが、この日の井戸端会議はまさにこのテーマの延長線上で議論が広がりました。
要点は「学生がもう少しシビックテックに参加するためのきっかけづくり」についてです。
<授業を通したシビックテックへの関わりについて>
議論の1つが、学校の先生がやっぱり学生を導いてあげないと、、シビックテックの領域に参加しにくいのかな、、という点でした。
プログラムを書いている学生の方であれば、技術的な興味でシビックテックに関係する事もあるかもしれませんが、そうではない方は授業等で関わり合いがないと接する機会がないのかもしれません。
「学生もそれなりに忙しい。学業以外にも部活やバイトもあるので、余暇の時間というのは思ったほど空いていないのだろう。だからこそ授業に組み入れないと。」
という意見もありました。
そのような話が出る一方で、学校を卒業した後に関わりが薄くなってしまう点や、シビックテック的な活動の受け皿がそれぞれの地域になかったり、その次のステージやサポートが用意されていないという課題についても触れられました。
学生の間は学校がサポートをしても、その先は当然手が離れてしまいます。
参加者からは、
「エンジニアの方のキャリアパスとしてシビックテックに関わる事が ”カッコイイ” 等と見られればもっと関わりやすいのかもしれない」
とのコメントも出てきました。
これは学生の方に限らないかもしれませんが、「その先に何があるのか」みたいなものが見える見えないかは、モチベーションとして大きかもしれませんね。
<PBLやCOC+との共通点>
これらの話から、「大学が地域に出ていき実証しながら課題解決していくPBL等と事情が共通することが多いと感じた。」という話もあがりました。地域等への社会課題の現場に学生の方に参加いただこうという取り組みです。
※PBL:問題解決型学習
注)PBLイコールシビックテックとはなっていなく、多くは自治体と市民共働的な活動として行われることが多いようです。
また、文科省による大学を拠点とした地方創生推進事業(COC+)も取り組まれる事が増えてきており、このような活動を具体的に進められる先生もいれば、研究畑の方は、授業への組み込み方等に迷う事も多いとのお話もありました。
※COC+:文科省による大学を拠点とした地方創生推進事業
一方でこれらのようなキーワードは「消費」されがちで、ただ「ヤル」事が重要になってしまいがち。という反省点も指摘されました。
これらはシビックテックも同様かもしれませんね。
<結局のところ、、、>
途中で、学生向けのハッカソンの話となり、「(単位目的などで)受動的に参加した学生の例をあげ、無理やり参加してもあまり意味がない」という話も出てきました。
授業を通じて参加をしても結局の所は受動的な取り組みとなってしまい、結果的に双方のためにならないとのことです。
その一方、
・授業などをきっかけとして(シビックテック等に)参加して、周りの人がその活動に賛同し(楽しくなって)やめられないという事もある
・きっかけは何でも自分次第、そういう場がある事が重要だと思う
という意見もありました。
「先生の存在という影響もやはり強いのかな、、それも1つの結論なのかなと思う。場を作れる先生は重要なのかなと思う。そういう中から興味を持つ人が増えてってくれると嬉しい」
と、この議論は締めくくられました。
個人的には、これらの議論の中でCode for Gifuの石井さんがおっしゃっていた言葉が印象的でした。
若い人に頼っていくのも課題かな、、負担かけてしまう。
新しい視点としていろんな方が関わってというのはとても良いが、労働力として学生に頼ってく、、というのは違うと思っている。求め過ぎたらプレッシャーになる。
若い方が来たらこれぐらいできるだろう、、というのは違う。
シビックテックには多様性が必要だと思う中で、学生が「いなくてはならない理由」はそこまで明確ではありません。
なぜ、学生に参加して欲しいのか。学生が参加した際に労働力やエンジニアリングを過度に期待をしていないか、そのあたりはもう少し明確に議論ができていくといいなと思いました。
みんなが興味を持っているのであれば、このような議論の場をまた作っていきたいですね。
▶「オープンデータ」セッションについて
続いて「本当のオープンデータの話をしよう」のセッションについて、取り上げられ井戸端会議が広がりました。
※当日の様子は以下の動画、twitterまとめ等をご確認ください。
動画(本当のオープンデータの話をしよう)|twitterまとめ(本当のオープンデータの話をしよう)
<登壇者2人の感想>
この日の井戸端会議にはセッション登壇者2名(福島さん、瀬戸さん)も参加を頂いておりました。
それぞれにセッションを振り返ってコメントを頂きました
瀬戸さん:「非常に楽しかった。自分の中での頭の整理にもなるので、良かった。1時間だったので消化不良な方もいらっしゃったかもしれませんが、自治体のオープンデータ以外のトピックスをインプットするだけではなく、そこにいた人からも引き出せると良かったな、と思う。
2人だけでカバー仕切れない、環境モニタリング系の話や、英語圏だとオープンサイエンス等が本丸の1つなので、セッション自体幅広いテーマ。第二回、第三回とできたらいいな」
福島さん:「オープンサイエンス系の話は今回深める事が出来なかったかな。そういうのに興味がある方がどれだけいたのか、、というところがわからなかった。
オープンサイエンスを推進していくんだという流れが起き始めている。その分野の方にも話をしてもらうと、、オープンデータなんだけど、全くデータの種類や用途が異なっていく。そういうサイエンス分野の動きももう少し知ってもらっても良いかと思う」
<文系と理系のオープン化の違い>
理系のほうの分野はオープンサイエンスが進みやすいが、文系のほうは中々進みづらい。というお話から文系のオープンデータ・オープンサイエンスの話へ。
文系は一人で研究をしていたのが当たり前の分野。論文を書いて発表するまではデータは自分のものだった。とのことです。(化学・工学は共同研究でないとそもそも成立しない性質のものが多い)
一方で、論文を書いている方が高齢化して、亡くなられたり、となっていくと古い研究は論拠となるデータがなくこの論文が正しいということがわからない。文系の方も研究を守っていくため、正当性・透明性を高めるためにオープンガバメントと同じ目的でオープンとなっていくところもあるようです。
また、当然理学工学の分野でも逆の方向のものもある(利益に直結するような研究や、お金がかかる分野ではストップがかかってしまう)。全部オープンには、とは言えない部分もありますよね。
最後に、学生のセッションと同様にこのテーマで2回、3回とセッションを続けていきたいという話しで締めくくられました。
▶次回告知
CivicWaveのオンライン井戸端会議は毎月第一木曜日の19:30〜開催しております。
次回は5月11日(木)19:30〜 になります。申し込みはこちらから。
※次回は第一木曜が祝日のため第二木曜となります。
→CivicWave:オンライン井戸端会議「5月」
こちらのFacebookグループに参加いただけるとイベント作成時に告知します。
→CivicWaveコミュニティ(Facebookグループ) https://www.facebook.com/groups/1101374179924453/?fref=ts
※CivicWaveの読者やイベントに参加した方による相互コミュニケーションの場
次回のテーマは現在検討中です。
詳細がきまりましたら、イベントページで告知します!
著者プロフィール:伴野智樹(@tomokibanno)
CivicWave運営メンバーの一人。
MashupAwards事務局/CIVICTECHFORUM事務局
ミッキーマウスの声真似が得意です。