6月2日(土)に都内にて、シビックテック活動の共有とネットワーキング強化を行うイベントCIVICTECH FORUM 2018(以下CTF2018)が開催されました。会場は2会場にわかれ、一人10分のライトニングトークが次々と発表されるスタイル。
第二セッションのカフェ会場では、シビックテック×教育、シビックテック×子育て、シビックテック×防災など、シビックテックと関わりの深いテーマのセッションが多数。
一方、セミナー会場は、北海道名寄市や福井県永平寺町などの具体的な地域の取組から、コミュニティの運営ノウハウについての話がされていました。
発表タイトルをリンクすると、それぞれの動画・発表資料ページ(公開している方のみ)のページへリンクしますので、少しでも興味をもったものがありましたら、是非ご覧ください。
一つの講演は10分と短めなので、移動中にポッドキャスト的に聞くのもありですよー。
▶カフェ会場
つぶやきまとめ→CIVIC TECH FORUM 2018「第二セッション|カフェ会場」
■17.白澤 美幸:CivicTechから教育を見てみる
学校の連絡手段などの電子化が進まない・・・。みなさま、一緒にやりましょう!
■19.伊藤 侑果:「子育て×シビックテック」@横須賀
ただの主婦でもシビックテックはできる!アイデアソンをしたり金沢に行ったりする中で、BtoGよりも市民目線の要望に着目。なんと5児目のお子様を懐妊中のベテラン主婦。
■21.瀬戸 寿一:防災アプリとシビックテック 〜現状の把握とこれからに向けて〜
シビックテックの目線を生かして他のジャンルの防災アプリが出来ないか。身近な災害にも活かせるもの。防災は大災害だけではない。減災だって防災。
■23.近藤 康久:オープンチームサイエンス:シビックテックを活かした新しいサイエンスのカタチ
滋賀県の水草問題。主体によって捉え方が違ってくる。問題認識のズレを防ぐためにオープンデータの可視化が重要。
■25:三浦 泰夫:自立した持続可能なサービスを提供するG空間プラットフォームについて
GIS官民協議会で議論されていないことを支援するグループを立ち上げ、産学官の連携や、OSSの活用の話などすすめてます。「やってみせる」っていいですね!
■27.玄正 慎:テクノロジーとデザインで地域の自助力・共助力を高める
近くの人の力を借りて救急手当ができるアプリを作りました。全国の救命率を上げたい。
■29.羽鳥 健太郎:地方版IoT推進ラボとCode for Japanとのミートアップを
地方から日本全国の産業が弱ってく、だから省力化のために地方でIoTを推進している。みなさま、連携しませんか?
■31.福島 健一郎:シビックテックコミュニティとシビックテックビジネス
コミュニティって助け合うために地域で発展しているもの。コミュニティのためになれば儲けなくていいと思ってます。お金は第1の判断基準ではない。
■33:鈴木 拓生:Googleの提供する機械学習ツールとそれを支えるオープンなエコシステム
▶セミナー会場
つぶやきまとめ→CIVIC TECH FORUM 2018「第二セッション|セミナー会場」
■18.黒井 理恵:北海道名寄市の新しい取り組み、スポーツ×ヘルスケア×データに向けての動きのご紹介
名寄市では冬季スポーツのアスリートが集まる街を目指している。データを制することはスポーツを制する。情報を集約し活用していくようなネットワークをつくっていきたい。
■20.上坂 哲教:ITの人として参加したまちづくりとシビックテック@福井県永平寺町〜見せた数字、取り組んだこと、そして課題〜
Fukui Data Challengeでは昨年からもプロジェクトが引き続き進められているとのこと、アイデアソン・ハッカソンが実を結んでいる!
■22.斎藤 百合恵:よそものとしての地域参加のありかた〜社会人の地域活動サークル YAPの活動に寄せて
社会人の地域参加の入り口をつくること目的に地域活動をしたい社会人が運営するサークルYAPについて。新しい人がなかなか入ってこない問題について。3つのポイントが大事。
■24.青島 英和:秘境駅から見える、街の移り変わり
秘境度を様々な角度から分析していくとヒートマップで表すと昔の産業や物流の流れが見えてきます。データから何を見出すか、文脈を見出すか。秘境駅は歴史遺産!
■26.杉本 直也:そういえば「富岳3776景」ってあったよね?
富士山のベストショットを投稿/閲覧できるサイト「 富岳3776景」。「災害時の専用サイトでは使われない。だから、いざという時のための普段使いのサイトを作る」。みんなの志事であるから、私事として継続中(応援求む)
■28.加藤 真透:俺 と 2017年度 Code for Kanazawa Civic Hack Night 運営
CfKの運営の暴露話も!?知られたくない運営情報などない!タスク一覧を誰でも見られる場所に置く。初心者、中級者、上級者の卓に分け、内容を分ける。最後にアウトプットを出すことを約束事にする。
■30.五十嵐 康伸:プロダクトをリリースしてグロースさせるシビックテックのチームビルディング 〜データビジュアライゼーション集団 E2D3 の運営上の工夫〜
3ヶ月でPJを区切る。人それぞれの関わり方を受容して、それぞれに役職(役割)をつくる。
■32.古郡 唯希:CODE for アーカイブのすゝめ
code forやシビックテックはわかりづらい。だからアーカイブが必要。アーカイブとは記録だけでなく、集客、自分たちのモチベーション継続、ポートフォリオ的な役割も担ってくる。人的クローリングでシビックテックなコミュニティの情報を集め分析したよ。
■34.江波 龍一:Code for Japanの活動を通して見えてきた関係人口の最新課題と盛り上げるための秘訣
応援市民制度を高速仮説検証をつかってブラッシュアップ。地域コーディネーターの地位向上と増員が大事。
以上が、午前中に発表されたプレゼンです。
他のセッションも気になる方はこちらのページからどうぞ!
・まとめ記事:52名の実践者が事例やノウハウを披露した「CIVIC TECH FORUM 2018」
・第一セッション:障がいやシニアなどのテーマ型シビックテック事例〜各地のコミュニティ活動まで
・第三セッション:自治体との取組〜個人でできるシビックテック活動まで
▶蛇足
蛇足は運営委員の感想を掲載していきたいと思います。
今回は今年はじめてCTFの運営委員としてJOINいただいた3名から。
はじめてのCTFは伝説のCTFだった。
2015年から過去3回開かれているCIVIC TECH FORUMには一度もいったことがありませんでした。これまでは巨大スポンサーがシビックテックという社会ムーブメントを強調するようなフォーラムでとても素晴らしい企画ではありますが、岐阜に住んでいる自分にとって必要なものはなさそうに感じていました。
そんな中、今年は「実践者たちが集まりLTをし、それをみんなが聴くというスタイル」にしたいという想いを福島さんから伺いました。そうです。普段は目立つことはないけど、とても素敵な実践者たちがたくさん地方にいるのを知っていました。そんな方たちの発表を是非とも聴きたかった。
Code for GifuからはMamiさん、古郡さん、天川さんが来てくれました。しかも、それぞれが誰かがつくった原稿を読むのではなく、苦しんで、考えて、時間を削って、つくってくれた発表でした。とてもとても価値があります。
シビックテックの根本は「自分でなんとかできる」ようにすることであると私は考えているので、一人ひとりでやり方は違って当然なんです。全国展開できるサービスであれば企業がやればいい、行政がやればいい。展開できない課題だからこそ自分で解決する価値があるのです。でも、きっとその解決したやり方は他の方の全然違う場所に参考になることがあるはずです。そんな取り組みがたくさんあるのだとわかりました。
だから、イベントが終了してからもみんながみんなの発表をシェアしたり、水平思考で全く別の取り組みのヒントになったり、いままでモヤモヤしていたことを吹っ切る原動力になったりしています。そんな発表の動画とスライドがひとつに集まったCTF2018のアーカイブはみんなの貴重な財産です。このような財産をともにつくりあげることができました。このカタチが底力なんだと思います。
最後に一番好きな講演は澤田さんの「みんなでオープンデータを作る活動を通じて積雪寒冷地域を盛り上げたい... 」です。澤田さんの寒冷地愛はすさまじいものがあるのは前から知っていましたが、この講演の中で「なぜ積雪寒冷地にこだわるのか?」の問に「好きだから」と堂々と答えているんです。雪が好きだから日本雪氷学会に入会する。この好きは本当に強いと思いました。だから、私も自分自身の好きを突き詰めます。
あなたもここから続いていく伝説のはじまりにいます。
石井 哲治
シビックテックに関わっていると、時々「なんでそんなことをしようと思うのか分からない」と言われることがあります。
「そんなこと」に対して、休日に時間を割いて、東京で開催されるイベントに全国から交通費宿泊費自腹であれだけ多くの参加者が集まって話して(冷房を最強にしてもまだ暑いくらいの熱気だったのですが)となると、ますます「分からない」となるのでしょう。
今回の52人のスピーカーによるプレゼンテーションは、アーカイブ動画として観ることができます。ご都合で当日会場に来ることができなかった方はもちろんのこと、「なんでそんなことをしようと思うのか分からない」という方にもオススメだと思います(ウチの親父から観たとメッセージがきました)。
私自身まだ半分以上のプレゼンテーションを観られていませんが、じっくり追いかけてみようと思います。
川人 隆央
「いかにモチベーションを高く継続するか?」それが自身のシビックテックに対する最近のテーマになっていて、今回のCFT2018に参加することでいろんな人の刺激を受けることが出来ました。
また運営委員のメンバーに入れていただきイベント開催のプロセスも多く学べたことも大きな収穫でした。
担当した動画撮影も当初はブログを書くための運営委員が使うぐらいの利用を想定していました。
しかし、講演者のスライドだけでなくネットで公開することで、参加された方のふりかえや、たまたま動画を見た方がシビックテックに興味を持っていただけたらと思い、がんばってみました。
イベントの後の余韻に浸りながら動画をアップしましたが、「スピード感がすごい」などの意見が直接入ってくると、
「大変だったけどやってよかった」と次へのモチベーションが高くなる一言でした。
スポンサーが増えるたびにスタッフポロシャツや会場装飾が増えていき、共感していただける企業がこれからも増えていくイベントになればと思っています。
森田 清仁