6月2日(土)に都内にて、シビックテック活動の共有とネットワーキング強化を行うイベントCIVICTECH FORUM 2018(以下CTF2018)が開催されました。会場は2会場にわかれ、一人10分のライトニングトークが次々と発表されるスタイル。
第三セッションのカフェ会場では、自治体との取組などを中心に。そしてセミナー会場では個人でもできるシビックテック活動を中心としたお話がされていました。
発表タイトルをリンクすると、それぞれの動画・発表資料ページ(公開している方のみ)のページへリンクしますので、少しでも興味をもったものがありましたら、是非ご覧ください。
一つの講演は10分と短めなので、移動中にポッドキャスト的に聞くのもありですよー。
▶カフェ会場
つぶやきまとめ→CIVIC TECH FORUM 2018「第三セッション|カフェ会場」
■35.河中 祥吾:「4919.jp 〜生駒から全国展開に向けて〜」
4919.jpは給食のカロリーやアレルゲンを確認できるアプリ。これからの展望、データフォーマットのデファクト化や横展開!
■37.川人 隆央:「ひぐまっぷ」
熊出没の報告は、書類をたくさん作って、なんてこともあり、処理の都合で1年後にようやく報告、なんてことも。精度や即時性問題をICTで解決!そして工数削減も。
■39.中窪 悟:地域と生み出す小さな取り組み@鹿児島県肝付町
肝付町での様々な取組をご紹介。LoRaWanで徘徊対策実験を数年実施とはすごい!Googleでググってと言ってる自分に感動している中窪さんがかわいかったw。
■41.工藤 浩司:自治体によるFiXMyStreet Japan導入について
市民と行政が課題を共有するツール「マイレポはんだ」のご紹介。行政で新しい取り組みを始める際の、心がけ的なことも教えてくれました。
■43.河尻 和佳子:その愛は本物か?シビックパワーバトル
住民が自らの住むまちの魅力をプレゼンでバトルしあうのが「シビックパワーバトル」。埋もれていたデータを使うこと、シティプローモーションを組み合わせた。
■45.及川 涼介:行政を内側からハックする!mokubaの野望
「行政の課題は公務員がいちばん気付く」。行政サイドのメンバーが熱い想いを持って、行政課題に取り組んでいます。現在、報告書の一覧アプリを開発中。
■47.矢野 晃平:街のコミュニティを数値化する「Community Value」〜行政での事例紹介〜
コミュニティは概念が曖昧で評価できないという課題に対し、コミュニティバリューを独自に算出。コミュニティを科学したい!
■49.小嶌 不二夫:オープンデータを使ったインフラ評価と都市計画の最適化
オープンデータ活用しながら、道路行政などの研究を進めています。無駄なインフラを無くせばものすごいエネルギーの効率化になる。インフラを評価していくことは、都市計画でもいかせます。
■51.伊藤 昌毅:オープンデータをきっかけに考える地域公共交通の未来
公共交通に関するオープンデータをどう切り拓いてきたか。open transit の話。GTFS(オープン形式)だとGoogleマップにもデータが掲載されます。
▶セミナー会場
つぶやきまとめ→CIVIC TECH FORUM 2018「第三セッション|セミナー会場」
■36.石井 哲治:岐阜の「小さなIT相談室」で目指すこと
小さなIT相談室は、ニーズはあるのはわかるけれど、毎回企画するのも集客するのもつらい。だから、不定期・気軽・少人数でもいいをコンセプトに運営。目指すのは、自分がいなくてもどこかで誰かが続けていく形。
■38.畑中 祐美子:「リアルおままごと」からの社会貢献 びーのびーの「家族シミュレーション」に参加しませんか
子育て支援NPOびーのびーので「リアルおままごと」事業やってます。困難の多い子育てに、ぶっつけ本番で挑む前に先輩家族から学ぼう!
■40.渡辺 賢:アクティビティのLODでコミュニティを作りたい
「MissionForest」でコミュニティを作るシナリオ。RESAS APIを使った社会科教材の作成。デザインを改良し、実証実験を予定。
■42.小比類巻 大和:ハッカソン好きがIT業界と縁遠い保育園でアイデアソンやその他諸々をやってみた話
保育園でアイデアソン?なぜ?→保育士忙しすぎ問題。シャケ一切れ600円でも気づかない、相見積もり相見積もれてない(ふっかけられる)。地球は救えないけど、保育園なら救えるかも。
■44.石神 勝博:ブロックチェーンの可能性を信じて 〜CivicTechメンバーと始めた取組紹介〜
ブロックチェーンの活用事例などのご紹介。
■46.Mami Horikawa:MakerとCivic Techと私
Makerとシビックテック。今いる世界をよりよいものにするために作ったり、行動する点が共通している。
■48.山下 康成:毎月マッピングパーティ楽しんでます!
自分たちの地域の地図を自分たちで改善できる。初心者でもアウトプットを出しやすくて成果が目に見えるのがいいところ
■50.曽根田 悠介:Local x Localという新しい挑戦
東京に一極集中より、Local x Local の方が楽しい!熱い土地と熱い土地の組み合わせ最強。生駒×石巻=イトナブ生駒支部爆誕!
■52.島野 勝弘:二拠点生活とボランティアでゼロから始めた町興し 〜オッサンが週末に東京湾を渡るワケ〜
ちょこっとボランティア。略してちょこボ。花火大会の運営大変!レバレッジをかける協力。AEDマップを作ったり、花火大会と360度カメラを組み合わせた取り組みもしたり。
以上が、午前中に発表されたプレゼンです。
他のセッションも気になる方はこちらのページからどうぞ!
・まとめ記事:52名の実践者が事例やノウハウを披露した「CIVIC TECH FORUM 2018」
・第一セッション:障がいやシニアなどのテーマ型シビックテック事例〜各地のコミュニティ活動まで
・第二セッション:シビックテックと子育て〜コミュニティ運営ノウハウまで
▶蛇足
蛇足は運営委員の感想を掲載していきたいと思います。
今回は、運営委員として4年連続関わっているお二人から。
当初、これまでの過去3回とは違った形となり開催が危ぶまれた「CIVIC TECH FORUM 2018」だが、大きなトラブルもなく無事に開催することが出来ました。
ひとえに、10分間のLTと短いながら登録していただいたスピーカーの皆様、ボランティアではなくサポーターとして運営を支えて頂いた皆様、快くメディアパートナーになって頂いた皆様、スポンサーメリットがそんなにあるかわからないのにスポンサードをしていただいたスポンサーの皆様、そして運営委員の皆様、そんな人に支えられて「CIVIC TECH FORUM 2018」は開催できました。本当にありがとうございました。
最近、こんな声を聞きます。
「わたしはね、世界をリードしたいとか思ってない。ただ、目の前の人たちを幸せにして、それを型にして日本を良くして、幸せな人を増やしたい、それを〇〇からやりたいです」
「自分たちの住んでるまちを、他の誰かが面白くしてくれるのを待つのではなく、自分達ではじめよう」
シビックテックは、机上で理想を求めていたシビックテックで数々の学びを得て、現実にシビックテックを進めていく段階にきていると思います。100人いたら100通りのシビックテックの形があっても良いのでは? 実践して失敗から学びがあります。そんな自分ごととしてシビックテックを実践している人を、今年の「CIVIC TECH FORUM」では紹介ができたのではないでしょうか。
小俣 博司
"全国的に有名な取り組みを行う講演者をお招きして話を聞くというスタイルをやめ、全国で活動するシビックテックプレイヤーの人たち自身に自主的に集まって短い講演をしていただき、集まった人たちで活動の共有とネットワーキング強化を行うイベントにする"
これまでの過去三回とは違い、上記のように新しい形に生まれ変わったCIVIC TECH FORUM 2018。
それはもうイベントであってイベントではなく、それ自体がシビックテック活動になっていました。
数ヶ月前、全国各地の活動こそがシビックテックの根幹だから、全国のシビックテックプレイヤーに参加してもらい、たとえ短くても良いから多くの人たちに話してもらおうと決まったとき、やりたかったことはこれだと思いました。
そして同時に思ったのは、それぞれの話に優劣などないなぁということ。
それぞれの地域で活動している人と活動は全て尊いと思っています。だから、話す人も聞く人も関係ない、運営側も参加者も関係ない、そういうフラットにしようと決めました。
今回、運営委員長がいないのは気づきましたか?実はいないんです。
それはスポンサーにも同じでした。この趣旨に賛同してくれるなら小口でいいから(というか小口だからこそ)全国の有志から資金を募りたい、全国の想いある人たちに支えて欲しいという気持ちは、おかげさまで予想を上回る数の方々に通じました。
皆でこの場を創り出すんだ。自然に参加する皆がそういう風に感じたイベントだった気がします。
参加してくださった皆が尊重しあい、助け合い、自分たちができる形で貢献しているその空間を共有することができたことは、今後もシビックテック活動をする上での大きな勇気となりました。
「そんなのできないよ」って言うことは簡単だけど、皆さんとならできないなんて言わずに取り組んでいけるような気がします。
今は上手に表現できないけど、暖かい気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。
また、来年のCIVIC TECH FORUMでお会いしましょう!
福島 健一郎