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市民参加のアプリコンテスト受賞作品が、実運用されるサービスに成長!

生駒市が公開している給食予定献立表のオープンデータを利用した給食献立表アプリ「4919(食育)for IKOMA」が、11月から学校で配布している給食献立表からダウンロードできるようになることが正式に発表されました。
 →発表資料「給食献立アプリ「4919(食育)for_IKOMA」を給食献立表からダウンロード

生駒市は、河中さんが開発したアプリのために、公開しているオープンデータを改訂し、9月からアレルゲンの列を追加しました。以前はアレルゲンはPDFに書かれており、その部分は河中さんが手打ちで入力して対応していましたが、9月からcsvに追加されたため、自動取り込みができるようになったとのこと。
こういった対応も含め、見事な官民連携の事例と感じます。


4919(食育)for IKOMAとは

4919(食育)for IKOMA」は、昨年度開催した市民参加のアプリコンテスト「IKOMA Civic Tech Award 2016 生駒の未来アプリコンテスト」で「アプリ部門最優秀賞」と「いこまの未来市民賞アプリ部門」のダブル受賞をした作品。
給食のアレルゲン管理と子どもの食育をサポートをするサービスで、iPhone版Android版があります。

<アプリの機能>
・その日の献立、摂取カロリー、栄養バランスの表示
・個々のメニューをタップすると含まれるアレルゲンを表示
・ひと月の献立メニューの表示
・摂取目安カロリーや栄養バランスなど食事に関する基礎的な情報を表示


開発者は奈良先端科学技術大学院大学修士 2 年の河中祥吾さん。


蛇足

昨年の「IKOMA Civic Tech Award 」については、CivicWaveでも記事にさせていただいております。
ITで生駒の未来をつくる挑戦! - IKOMA Civic Tech Award 2016

市民のチャレンジする場所を行政側が準備し、実際にアクションしてくれた。これはとても素晴らしい事例だと思います。更に素晴らしいのは、これを開発したのが学生ということ。
ITと行政の時間スパンの感覚は相当乖離がありますが、学生と行政の間の時間の感覚もかなりの乖離があります。
以下はCivicTechForum2017の「学生とシビックテック」のセッションで話された、「4919」のAndroid開発者の松田さんの発言。

引用)
学生は、学生の間の短い期間で何かをやりたいと思って動いています。そして、シビックテックはその選択肢の一つでしかありません。シビックテック活動を行政の方と進めていく中で「これは何を待っている時間なんだろう?」と思う不思議な時間があるとのこと。
学生は、賞を受賞して、どんどん次に行きたいとおもっているけれど、そんな時に理論では語れない何かがあると、少しめんどくさいと思ってしまうこともあるそうです。


そんな中、「4919」は、受賞後1年後に実運用がされたわけです。
この判断は、献立情報のアップデートなど市側の負担も多少は増えることが予想されます。そんな中、運用の決断をした「生駒市」も素晴らしいな、と感じたニュースでした。

「IKOMA Civic Tech Award 」は、今年も開催されるようですよ。IKOMA Civic Tech Award 2017





著者プロフィール:鈴木まなみ(@rin2tree
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CivicWave運営メンバーの一人。
2歩先の未来をよむブログメディア「TheWave」の湯川塾の事務局を務め、テクノロジーの最新動向をウォッチしながら、コミュニティ運営や執筆活動中。
また、MashupAwards8〜11の事務局を務め、内外のコミュニケーション全般を担当。