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市民団体である「Code for Tokushima」 が企画開発したものを、地元情報誌さんや学生さんに引き継ぎ運用されていく良い事例

今年も本日(8/12)から徳島県では阿波おどりが始まります!
観覧にいっている方がいらっしゃったら、是非使ってもらいたいサービスがあります。それが「連レーダー」。阿波おどり連の位置を表示するサービスです。

昨年作られたこのサービスは、様々な地元の人の協力のもと、今年はバージョンアップして帰ってきました。
地元の人に応援され、成長していくこのサービスは、シビックテックサービスとして、とても良い事例と思いますので、ご紹介します。


徳島市阿波おどりの観覧を支援するサービス「連レーダー」

「連レーダー」は徳島市阿波おどりの観覧を支援するサービスです。
スマートフォンやパソコンから猿楽社ウェブサイト内の特設ページ(http://www.sarugakusha.jp/ren-radar/)にアクセスすると、マップ上に多数のフラッグ(旗)が表示されます。フラッグは阿波おどり連の位置を表し、それぞれをチェックすることで連の位置情報を知ることができます。
「連レーダー」を活用することで本場・徳島の阿波おどり観覧がもっと便利に、もっと楽しくなります。
 ・サービス提供:2016年8月12日(金)〜15日(月)の18時〜22時30分
 ・利用料:無料

但し、「連レーダー」に表示される阿波おどり連は全てではなく、専用アプリをスマートフォンにインストールしている阿波おどり連のみになります。
今年は、様々な方にアプリのインストール告知をいただいたり、iPhone版の「びこり!」だけでなく、Android版「阿波踊りBeacon」に対応しているため、昨年よりも多くの連の位置がわかるようになっているはずです。
有名連だけでなく、学生連、企業連、県外連など、アプリをインストールしてくれさえいれば、位置が表示されます。



「連レーダー」の仕組み

連レーダー」は、連の位置情報把握には、GPSではなくビーコンを利用しています。事前に街にビーコン機器(iBeacon、Eddystone)の設置をし、専用アプリがインストールされたスマートフォンが近づくと、地図上に表示されるという仕組みになっています。
阿波おどり期間が終わるとビーコンは撤去されるため、ずっと位置が公開されることはありません。

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(写真提供:Code for Tokushima

※iBeaconとは
Apple社によるビーコン規格で、特定の信号を数十m発信することができます。
この信号をアプリが受信することで様々な動作を行うことができます。

※Eddystoneとは
2015年7月に発表されたGoogle社によるオープンソースのビーコン規格で、URLを発信することが出来るため専用アプリが無くとも情報配信を行うことができます。



パワーアップした「連レーダー」

「連レーダー」は、「Code for Tokushima」が昨年の夏に開発したサービスです。昨年の5月に行われた「阿波おどりアイデアソン」で最優秀賞をとったアイデアを実装したものです。
阿波踊り本番までに開発を間に合わせ、昨年は約2千人の方が利用しました。
アプリの利便性が認められ、2016年1月に「第5回ICTとくしま大賞」の「とくしまOSS普及協議会賞」を受賞した実績も持ちます。
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(写真提供:猿楽社

今年は、阿波おどり専門誌を発行する猿楽社と連携し、特設サイトを開設。
そして、連用登録アプリ「びこり!」のAndroid版「阿波踊りBeacon」もリリースしました。Android版は地元専門学校のN-Techの学生さんが作ったとのこと。来年はサーバーサイドの運営も任せることになっているようです。

また、連の方々にアプリを登録してもらう活動に関しても、猿楽社さんや、徳島市観光協会にも協力いただくなど、昨年と違い、多くの地元の方に応援されています。

市民団体である「Code for Tokushima」 が企画開発したものを、より活かせる阿波おどり情報誌さんや学生さんに引き継ぎ、運用されていく。
この流れは、求められているものを作った証であり、シビックテックサービスの進化として、とても良い事例なのではないでしょうか。




著者プロフィール:鈴木まなみ(@rin2tree
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CivicWave運営メンバーの一人。
2歩先の未来をよむブログメディア「TheWave」の湯川塾の事務局を務め、テクノロジーの最新動向をウォッチしながら、コミュニティ運営や執筆活動中。
また、MashupAwards8〜11の事務局を務め、内外のコミュニケーション全般を担当。