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 社会的インパクト評価イニシアチブのトップページ

2016年6月14日に開催された、Social Impact Day2016にて、日本初の社会的インパクト評価を推進するための団体、「社会的インパクト評価イニシアチブ」の設立が発表されました。

日本を社会的インパクト志向に変革するためのステークホルダーを集め、ロードマップの公開やツールセットの提供などを通し、社会的インパクト評価の定着を推進していくとのこと。

また、合わせてウェブページも開設し、事例集(実際の評価を確認できる)、ライブラリ(国内外のツールやレポート、組織を整理)、最新ニュースなどの情報を提供しています。

シビックテックの領域も社会的なインパクトを目指すソーシャルビジネスや、課題解決のアクションが多く存在します。これらの評価指標や活動を参考にし、今後の活動を進めていく必要が多分にあると考えられます。


社会的インパクト評価とは

社会的インパクト評価とは、短期・長期の変化を含め、事業や活動の結果として生じた社会的・環境的な変化、便益、学びその他効果を定量的・定性的に把握し、事業や活動について価値判断を加えることです。

社会的インパクト評価を行う目的は、大きく以下の2つがあります。
 ・事業や活動の利害関係者に対する説明責任を果たすこと
 ・事業や活動における学び・改善に活用すること

そして、特徴は、アウトプット(事業の直接の効果)の評価に留まらず、その先のアウトカム(事業による効果)を評価することです。
例えば、成人病予防事業のケースでいえば、アウトプットはセミナー開催回数などになり、アウトカムは市民の予防意識向上、健康寿命の延伸、医療費の減少などになります。


評価ツールの公開

今回、社会的インパクト評価イニシアチブの設立発表とともに、社会的インパクトの評価ツールについても公開されました。
そのツールセットには、分野別になるものの、以下の3要素が盛り込まれています。
 ・ロジックモデル:何を測るのか?(インプット、アウトプット、アウトカムは何か?)
 ・指標:何で測るのか?(アウトカムの具体的な指標は何か?)
 ・測定方法:どうデータを集めるか?(質問表の一覧)

ロジックモデルとは事業が成果を上げるために必要な要素を体系的に図示化したもので、事業の設計図に例えられ、インプット(資源)、活動、アウトプット(直接の結果)、アウトカム(成果)などによって構成されています。
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 図:地域・まちづくりのロジックモデル例(http://impactmeasurement.jp/より引用)


ツールセットは、まず「教育」「就労支援」「地域・まちづくり」の3分野について公開され、随時対応分野を増やしていきたいとのこと。

これらのツールを利用することは、評価を行う際の負担を軽減するだけでなく、共通の質問をすることで比較が容易になり、測定の信頼性が高まる効果もあるとのことです。