CIVICTECHのイメージの幅がひろがった!?

今回紹介する作品は、「MashupAwards」という開発コンテストに応募された作品になり、すべてが実際にリリースされている作品ではありません。
だからこそ、ちょっと遊びココロがはいった作品もあったりします。

「市民の抱える課題を解決するアプリやサービス」というと、とても実用的なサービスしかなさそうですが、MashupAwardsは自由な発想で開発を楽しむコンテストなだけあって、いわゆるCIVICTECHのイメージとはちょっと違った視点からのサービスもあり、CIVICTECHのイメージの幅が少し広がった気がします。イメージの幅が広がると、興味を持ってくれる人の幅も広がる気がしています。

CIVICTECHはまだまだ認知されていない言葉であり、概念も固まっていない言葉だと思っています。
いろんな立場の市民が関わりたいと思える、そんな言葉になっていったらいいなと思います。


■MashupAwardsの「CIVICTECH賞」とは?


リクルートホールディングが主催する日本最大級のWebアプリ開発コンテスト「MashupAwards」とは、クリエイター達の自由な表現の「場」というのを大切にしているイベントです。 2006年からはじまったこのコンテストは今年で11回目。多様な作品が応募されるようになり、9回目の一昨年前から部門賞も新設され、その部門賞の一つとして「CIVICTECH部門賞」というものがあります。
そのCIVICTECH部門賞の決勝が、11/8にCodeforJapanSummitにて行われたので、そのレポートをお届けします。

「CIVICTECH部門賞」とは、テクノロジーを通し市民の抱える課題の解決するアプリやサービスを募集した部門賞で、課題の大小は問わず、応募時点の継続可能性は関係ありません。 市民の課題と向き合い、適切な解決方法を示す作品を求め、募集した部門となります。
カテゴリ賞を受賞した4作品、オンライン審査にて選出された上位3作品、各地のCIVICTECHハッカソン(北陸、生駒、会津)のCIVICTECH賞作品3つの合計10作品でのプレゼン対決となりました。
 ※カテゴリ賞とは以下4つ
  ・オープンデータ賞
  ・オープンデータパートナー賞
  ・CIVICTECH for Business賞
  ・CIVICTECHfor Citizen賞


■MashupAwards CIVICTECH部門賞決勝で発表された作品


<CIVICTECH部門賞>
▶千葉市お祭りデータセンター by Code for Chiba(CIVICTECHfor Citizen賞)
千葉市で、いつ、どこで、どんなお祭りが行われているのかを簡単に探すことのできるサービス
http://hacklog.jp/works/4799
ターゲットは、地域に住んでいる方達なので、とにかく簡単に使えることを目指し、よくあるシチュエーションについては、1クリックで見ることができるとのこと。トップページには、今週開催される祭りの一覧を表示し、自分の住んでいる地域の祭りが知りたい!今日祭りに行きたい! 週末祭りに行きたい! に応えるため、これらをダイレクトに行えるようにボタンを配置しています。
Code for Chiba として、最初に完成したサービス。データは、本サービスの企画段階から千葉市の職員の方にも参加してもらい、町内会のお祭り情報をオープンデータとして作成してもらいました。


▶Code for 阿波おどり@徳島市(オンライン審査通過作品)
阿波おどりで連(おどりグループ)の位置がリアルタイムで分かるアプリ
http://hacklog.jp/works/3671
阿波おどり期間中は、街に点在する演舞場に連(おどりグループ)が移動し、踊りを披露します。 連ごとにさまざま特徴があり、追っかけをする根強いファンも少なくありません。 なので『連の位置がリアルタイムで分かるアプリ』を作りました!
街の幾つかのポイントにビーコン機器(iBeacon、Eddystone)の設置を行い、のビーコンを連員の方が持っているスマホが受信し、位置情報を送信するという仕組み。GPSは使用せず省電力&プライバシーに配慮しました。
振り返りとしては、アプリとビーコンは想定どおり動きシステム的には成功しましたが、協力してくれた連は32連で網羅率は3%、場所の設置網羅率は20%とサービスとしては不十分であり、来年はサービス面を強化して実施していきたいとのことでした。


▶鎌倉今昔写真(オンライン審査通過作品)
画面をスライドすると昔と今の街の風景が同じ構図で比較できるアプリ
http://hacklog.jp/works/5135
街の記憶こそが、私たちが残す最大の地域資産だという考えのもと、押し入れに眠る写真を誰でも楽しめるアプリで配信するサービスを作りました。
各地で写真を取り込むイベントなども行なっています。写真をもってくるのはお年寄りですが、今の写真を撮影するのは地元の高校生です。そのため、このイベントが各世代の交流も生んでいます。真の地域活性は世代間の交流にあると思っています。
また各地域へのローカライズもしやすい仕組みでつくられており、神奈川県横須賀市、福井県鯖江市、愛媛県今治市等で導入されています。


▶おもカジ by ものぐさ6(生駒ハッカソン代表作品)
センサやネットワーク情報を用いてPeppar君が家事のタイミングをお知らせします
http://hacklog.jp/works/3472
主婦が幸せに暮らせる街ランキングで関西2位の生駒市は、生駒の課題、移住者を増やすために、子育て支援に続き、家事のサポートにも乗り出しました。対応しているサポートは、冷蔵庫開閉によるレシプ&レストラン検索や、天気予報+洗濯機の稼働情報+洗剤購入案内などの11種類。
例えば、Peppar君に冷蔵庫の中の食材を回答することで「楽天レシピ検索」にかけておすすめを提案します。


▶誰でも簡単にモバイルスタンプラリーをつくれるサービス「RALLY」(CIVICTECH for Business賞)
スタンプラリーを無料で簡単に作れ、データ集計もできちゃいます
http://hacklog.jp/works/5289
使いやすい管理画面から対象スポットを登録するだけ。台紙の配布も不要なので最短5分でリリースできます。デザインも簡単に変えられます。モバイルスタンプラリーだから集計も簡単。分かりやすいダッシュボードから実施状況をグラフで確認できます。Freeプランなら0円で利用可能。気軽にスタンプラリーを実施できます。Proプランなら詳細なデータ分析が可能です。
ローカルアイドルを活用した商店街活性化イベントの一環としても使われた際には、売上にも貢献したとのこと。


▶飯テロ金沢 by メシテロリスト(金沢ハッカソン代表作品)
金沢の食の魅力をツイートしまくる飯テロbot
http://hacklog.jp/works/3141
金沢の食の飯テロをツイートしまくって、見た人が金沢に来たくなるようなbot “ぶー隊長”。お腹がすいていそうな時間帯を狙って,金沢の魅力をぶつけることで、フォロワーの記憶に居座ります。そして、時々金沢の歴史や名所についてつぶやき(ぼけ)ます。
写真はぐるなびの口コミAPIを利用。口コミで投稿するぐらいなので、写真は自然と美味しそうなものばかりになります。


▶Spaada(スパーダ)- 日本全国の地域を診る by microbase(オープンデータ賞)
高精度エリアレポーティングサービス
http://hacklog.jp/works/5420
「見たい場所」の「見たい情報」を即座にわかりやすく確認することができます。
e-Statを活用した地理情報データ(人口統計等)を用いており、独自のアルゴリズムにより、ミクロなスケールの地理情報データを推定。容易に日本全国のエリアレポートを作成・分析することが可能です。



▶ふむふむ by 市川電産(オープンデータパートナー賞)
街の伝統・歴史物をみんなで音声ガイド化するシステム
http://hacklog.jp/works/4665
街の歴史を残したいけど、残す方法が分からない、システム導入は大変、という方たちと共に住民みんなで作ることができるシステム。事前に、緯度経度と紐付けたiBeaconを用意。施設に設置し、音声で情報を登録します。登録された音声は、文字として保存されます。
niftymobilebackend、voicetextAPI、音声認識APIなどを利用。神戸市、金沢市、水戸市に関してはオープンデータを利用してデータベース化済み。


▶まったりセンサー(オンライン審査通過作品)
公共施設の雰囲気について音量とWi-Fiの揺らぎを活用して見える化するアプリ
http://hacklog.jp/works/4818
IoTを利用して、その場の雰囲気を可視化し、市民の方に広く発信するセンサーアプリ。 その場の雰囲気を検知するため、周辺の音量に加え、人が動いたときにWi-FiのRSSI(受信信号強度)にブレが出る特性を使いました。この2センサーを組み合わせることにより、カメラなどの映像を使わない、プライベートに配慮しながらその場の「空気」をWEBブラウザ上に可視化し、市民の方が気軽に確認できるようになりました。


▶One button by 会津one(会津ハッカソン代表作品)
ボタンをつかい、互助を自然に誘発させるアプリケーション
http://hacklog.jp/works/4150
ボタンを押すと、コミュニティバスを呼び、もしかしたら目的地についでに送迎してくれるご近所さんが見つかります。 ボタンをおしても反応が無い場合は、電話がかかってきて(Twilio)、タクシーによる代替等につなぎます。
誰かを呼ぶのはハードルが高いですが、基本的にはコミュニティバスを呼ぶためのボタンなので、心理的ハードルを下げています。また通常であれば、それぞれ(コミュニティバス、ご近所さん、タクシー)に連絡しなければいけないので3回連絡すべきところを、ボタン一つですませてます。


※この記事はMashupAwardsブログの記事をCivicWaveのほうで編集して掲載しています。