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(pic: CC BY Satoru Fujiwara)


市民と行政が集まって沖縄のシビックテックを考える

10月20日に沖縄で開催された沖縄オープンラボラトリ主催「CivicTech — Codeを書き街を良くする。企画運営、開発者、行政の視点、先進地域「金沢市」の事例から沖縄でこれを紐解く」というイベントでお話をさせて頂きました。
一般社団法人コード・フォー・カナザワの事例をベースに、シビックテックとは何か、海外や国内のシビックテックの事例、国内におけるシビックテックのエコシステム、そして今後のシビックテックビジネスの可能性についてお話させて頂いてます。

同時に金沢市様から行政の立場からの視点、沖縄県庁様から沖縄県のICT施策の取り組みなどもご紹介され、市民と行政がICTを活用してどう街づくりに取り組んでいけるかを考える良い機会になりました。

今回、イベントレポートしてこのイベントをご紹介させて頂きます。

コミュニティこそこれからの地域課題解決のキーになる

まず、僕(福島)の方から「地域コミュニティによる地域課題解決と新ビジネスの可能性」と題して1時間ほど講演させて頂きました。
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1時間ですので、シビックテックの基本的概念と事例から始まって、道具としてのオープンデータに関する話、そしてCode for Kanazawaが具体的にどうやってきているかをお話しました。
ここで僕が伝えたかったのは二つのことです。

〇毀韻鮹羶瓦箸靴織灰潺絅縫謄が自分たちで必要だと思えば自分たちでそれをできる
これからは困っても、不満があっても、ただ文句を言うだけでなく、自分たちが動いてそれを改善することができるってことなんです。「自分たちが住む街や自分たちが住む地域、社会を良くしたいなら自分たちがまず動こうよ」という単純なことだけど大事なことはしっかり伝えたいと思って、色々とお話させて頂きました。
そして、その時に大事なのは、みんなの少しずつの力を借りながら進めるシビックテックコミュニティの大切さです。いかにそういう仕組みを作れるかが、コミュニティの継続性につながっていくと思い、その部分についてお話をさせて頂きました。

△修離灰潺絅縫謄が成熟していくことで、ビジネスを新しく生み出せる可能性だってある
コミュニティ内で活動する人がシビックテックによる解決ノウハウを積んでいくことで、収益を生み出せるものも考えることができるようになるかもしれません。それはちゃんとお金を生むビジネスにしていけば良いと思っています。そして、そのビジネスが成長し、人を雇用し、税金を支払い、そして地域課題も解決できるなら、それはとても素晴らしいことですよね。
社会を良くするためには三つの力が必要だと思っています。
一つは公的なセクター、つまり行政です。市民から税金を徴収し、みんなのためになることを事業として行っていきます。
もう一つは民間セクター、企業が担います。営利を追求して雇用を確保しながら、あくまで私的に成長していきます。
そして、最後がコミュニティセクター、NPOをはじめとしたコミュニティが担います。上記の二つでは達成できない領域をカバーします。
社会にはこの三つがバランス良く存在していることが大事なので、全てを一つのセクターが担う必要はないんですよね。なので、コミュニティがうまくいくなら、そこから民間セクターも多く誕生したら良いなぁと思っています。
そして、シビックテックで儲けた企業が、自分たちを生んだコミュニティに寄附などで資金を還元するようなことが生まれれば、それはとても素敵な社会のエコシステムになるのではないでしょうか。
当日の中では、その可能性があるお話をさせて頂きました。

参加された皆さんはとても熱心に聴いてくださり、その後の懇親会でも熱い議論が続いたので、その想いは伝わったのではないかと思っています!


金沢市のICT施策

二番目の講演は僕自身もいつもお世話になっている金沢市の松本ICT推進室長から。
金沢市のICT施策の取り組みとして、公衆無線LAN整備やオープンデータ推進の話がありました。
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公衆無線LANは観光客の方々をメインターゲットに、現在、市内12エリアで提供していて、今後大きく拡充していくそうです。興味深かったのは景観に配慮した整備が行われているということ。金沢市は全国で最初に景観条例を制定した都市でもあり、やっぱりこのあたり考えているんだなぁと感心しました。

オープンデータの推進については、現在、施設系のデータ2800件、画像系のデータ800件、芸術系のイベントデータなどを中心に様々なデータをオープンデータとして公開している話がありました。
個人的に興味があったのは、金沢市立玉川図書館近世史料館の資料画像がオープンデータとして公開されているということ。こうした文化的な資料の公開はこれまであまり進んでいませんでしたが、政府・自治体が持つ資源として充分公開に値するデータだと思うので、眠らせる前に公開されていくといいなぁと感じています。

また、金沢市はこうした取り組みを全庁的なものにするために金沢版総合戦略にICT施策を組みこみ進めているとのことでした。
これからもどんどんチャレンジしていく自治体として(個人的にも)期待したいです!


沖縄の進んでいるICT施策

続いて、沖縄県企画部総合情報政策課さんから「おきなわICT総合戦略」に関するご紹介がありました。詳細の内容はリンクをご参照頂くとして、僕が強く共感したのは以下の2つです。
 ー沖縄の島々の連携を意識していること
 ー日本の地方ではなく世界に開かれた交流拠点として考えていること

これは沖縄の方々とお話しして感じたことでもあったのですが、日本の地方の一つとしてどうやっていくかということも大事だけど、同じ距離にある(もしくはもっと近い位置にある)アジアの他の国々とどう連携していけるかが念頭に置かれているなぁと。
これは、とても強い武器だなぁと思いました。

また、沖縄県商工労働部情報産業振興課さんからは沖縄県の情報産業事情が話されました。
情報通信産業振興地域と特別地区になっている沖縄県は、情報系立地企業は387社で、雇用創出は26,627人にも上るとのこと。これまではコールセンターが主ではあったが、最近はソフトウェア開発系、コンテンツ制作企業が増えてきているとのことでした。
沖縄で働きたいと思う人はけっこういると思うんですね。さきほどのアジアにつながる沖縄の魅力も重なると、立地にとても魅力的な場所になるのだろうなぁと感じました。


シビックテックを沖縄に広げていくために

最後に「新たな社会システムの構築のため産学官民がやるべきこと〜今から始めること」としてパネルディスカッションが行われました。

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非営利コミュニティとしてどう継続していくのか、資金はどう得ているのかという質問から始まった後、会場も交えて色々な話題でディスカッションが行われました(会場にはCode for Okinawaのメンバーの方はもちろん、県や各市町の行政の方、市民方など幅広かったです)。

例えば、沖縄でシビックテックを広げるためにもぜひ行政の方のアクションも期待したいという声もありました。最終的には、市民に情熱があるか、コミュニティを創れるかが大事なのは間違いないですが、できたコミュニティが活動をしていくために自治体の助けがあったら良いのは間違いありません。
今あるシビックテックコミュニティは大事にしないといけないと僕は感じています。せっかく成長し始めているシビックテックコミュニティを助けてあげないと、将来、自分の地域にシビックテックコミュニティがなくなったらどうするんだと思うんですね。
ぜひ、応援してもらえたらと(笑)

また、沖縄での人材育成のためにシビックテックが使えるんじゃないかという話も出ました。
それは間違いなく使えると思っています。様々なステークホルダーとともに地域課題を解決する現場がそこにはあるわけなので、学生はもちろん社会人にとっても有益なのは間違いないです。本イベントの主催である沖縄オープンラボラトリさんは人材育成も手がけているそうなので、ぜひプログラムに組みこんでいく価値はあるんじゃないかと思っています。

あと、多様性についてもお話ししました。
シビックテックは市民、行政、企業がともに手を携えて、テクノロジーを活用することでより良い地域を創り出すことだと思っています。地域社会が多様であるように、コミュニティも多様なメンバーで構成されているべきです。でないと偏ったことになりますからね。
また、多様であるからこそ、助け合えると僕は感じています。コミュニティであるため、専業でやることはあまりできません。サラリーマンもいれば会社経営者もいて欲しいし、エンジニアもいれば主婦もいて欲しいんです。みんなが全然違うからこそ、助け合えるはずです。コミュニティの人材不足を補うためにも多様な人材を獲得していくことが大事だと感じています。


沖縄って楽しい

沖縄、とても楽しかったです。でも、これって大事ですよね。その土地の魅力なんでしょうか。

お会いしたことがなかったCode for Okinawaの方々とも会えて、個人的にはとても感激でした。特に、沖縄県にある5374の開発者の方々に会えたのは、とても嬉しかったです(沖縄は5374がコピーしてくれた初めての地域なんです!)。

沖縄のシビックテックはこれから始まるのかもしれないのですが、沖縄の熱い皆さんと一緒にいると、とても楽しく実現できそうな気がしました。今回、このような機会を作ってくれた一般社団法人沖縄オープンラボラトリの皆さん、そして暖かく迎え入れてくれた沖縄の皆さん、ありがとうございました!

皆さん、これからの沖縄にぜひご注目ください!まずは、12月のOkinawa Open Daysが注目です!





著者プロフィール:福島健一郎(@kenchif
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CivicWave運営メンバーの一人。
一般社団法人コード・フォー・カナザワ(Code for Kanazawa) 代表理事、アイパブリッシング株式会社 代表取締役
Code for Kanazawaが開発した5374(ゴミナシ).jpは90都市以上に展開。