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シビックテックは容量・用法を読んで疲れないようにやりましょう!

熊本地震におけるIT利用についての体験談を話していただいた土黒さん、シビックテックに疲れたという中窪さんの話は、実践者ならではのとても重みのある言葉を聞くことができました。

CIVICTECHFORUM(以下:CTF)は、2015年、2016年と東京で開催されていましたが、「シビックテックの現場は各地域であり、地域でこそ開催したい」という想いがCTFの運営委員にあり、今回の「CTF@九州」は念願の地域開催2回目となります。(初回はCTF@東海

講演の内容は東海のレポートと重なるところもあるので、今回は「CTF@九州」ならではのコンテンツを中心にレポートしたいと思います。


九州で活動する実践者達のライトニングトーク

九州で活動している実践者達が、どんな考えでどんな活動をしているのか?を発表するセッション。
まずは印象に残ったおふたりのトークのご紹介です。

 崋然災害時におけるIT」 by土黒功司氏(AppLEAGUE)
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地震直後は携帯電話がパンクしてしまうぐらい情報拡散がすごく、デマなども多く流通。
普段であればデマだと気付ける内容でも、大混乱している現場の人は冷静な判断ができないため、デマを信じてしまいます。
 ー誰しもメディアになれる昨今、みなさまは責任をもって発信をしているのか?
そんな疑問が残ったとのことでした。

しかし、ITの良い点もありました。
Googleフォームを使ってデータ入力してもらったり、Facebookで協力者を募集したり、遠隔地での作業協力なども得られたことで、180件の車中泊アンケート結果のデータ化を1日で実現。本来であればデータ化するだけで大変なことです。
被災地支援というと、普通は物資や現地での労働支援かと思いますが、こういったIT支援の形が見えたことは一つの成果だったそうです。

ただ、一番大切なことは、「人のつながり」であり、「人のつながり」の上にテクノロジーがあることで、テクノロジーははじめて生きてくることを痛感。
人のゆるいコミュニティをつくり、何かあったときにはギュッとつながる。今はそんなことを模索しているとのことでした。


◆CivicTechで思うこと」 by中窪悟氏(肝付町役場)
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みなさまに「今」一番伝えたい事は
「シビックテックは容量・用法を読んで疲れないようにやりましょう!」
ということです。
先は長いです。疲れないように!!やりやすい活動を、できることをしてほしいです。

と力強く語る中窪さん。
自分がいろいろとシビックテックっぽいことやってきたけれど…今は疲れてしまったそうです。

シビックテックにおいて、テクノロジーの効きどころは、ほんの一瞬です。
課題を絞り込み、その課題を解決に変えるところがテクノロジーの効きどころですが、そのあとはコミュニテイ運営が最も大事なこと。
シビックテックに技術はもちろん必要ですが、一番必要な能力はコミュニティマネジメントだということに、様々な活動をする中で実感したそうです。

みなさんは、地域の活動に参加していますか?
新しい物を作るのもいいですが、地域の活動に参加してみるというのも一つの手。
WebやITの力は、地域の中ではまだ大したことない状態です。それは、みんながITの力を知らないから。
テクノロジーについて、地域の人にもっと知ってもらうこともシビックテック活動の一つです。
身近で地域活動しているコミュニティの中でそんな役割を担うこと、に活動をシフトしていこうと考えているようです。

自分に向いていないコミュニティマネジメントをがんばるよりも、自分にできることをしていく大切さを伝えてくれました。




他には、以下の3名の方に、現在の活動内容について共有いただきました。

BODIK ODCS ~ 九州・山口圏内の「オープンデータ空白地帯ゼロ」を目指して ~
 by坂本 好夫氏(ビッグデータ&オープンデータ研究会in九州 )
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BODIK ODCSは、九州・山口地域の自治体向けのオープンデータカタログサイト。自治体が、独自でオープンデータカタログサイトを持つことができます。WebAPIを提供する機能などもあるそうです。

Code for Saga で考えたこと by堀良彰氏(Code for Saga)
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Code for Sagaはオープンデータを活用した地域の課題解決をメインに活動。オープンデータ作成、マップと連携した情報サイト、5374、E2D3など、データ作成やデータ活用に重点をおいており、コードはほとんど書いていないそうです。

Code for SagaのTシャツが可愛かったです。(コードで九州がつながってます)
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ヌ瓜些愆韻龍働によるオープンデータ活用の推進 by星野正和氏(久留米オープンデータ活用推進研究会)
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久留米のオープンデータ活用推進は、民産学官の全てが揃って一緒になって活動できているようです。


CivicTech井戸端会議+ミニアイデアソン

今回の「CTF@九州」は、前回実施した「CTF@東海」とは違い、実際に活動している「実践者」よりもシビックテックに興味がある「これからの人」の方が多かったため、後半のCivicTech井戸端会議は以下の2グループに分かれました。
 1.シビックテック実践者
 2.シビックテックに興味のある人

CivicTech井戸端会議(シビックテック実践者)
まずは、シビックテック実践者、具体的にディスカッションしたい人を対象としたグループです。
最初にみなさまから、ディスカッションしたい内容についてヒアリングし、6つの項目が書き出されました。
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その中から、以下の3つの議題に絞りこまれ、車座になってディスカッションし、最後にみなさまで共有しました。
・地域連携のビジネスモデルに関してのアイデア
・シビックテックは5年後に続いているのか?
・福島さんになんでも聞きたい
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日本でのシビックテック実践者の一人者でもある「Code for Kanazawa」の福島さんへいろいろと質問したい人が続出でした。



▲轡咼奪テック入門・ミニアイデアソン(初めてシビックテックに触れた方向け)
もう一つのグループは、「データを使って町をもっと楽しく便利に」というテーマのミニアイデアソンを実施しました。ワークショップ前のインプットセミナーでは
 ・著作権に関すること
 ・オープンデータ周辺に関する取り組み
など、データに関するいくつかの解説を行いました。
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そして、その後はミニアイデアソンです。
インプットセミナーで気になったキーワードをマンダラートに記入していき、その後はペアブレスをしつつさらに理解を深め、グループワークにはいってアイデアを考えます。
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そして最後はみんなで話し合ったことをシェア。
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懇親会

最後は場所をかえての懇親会です!(ここが一番の本番?!)
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みなさまお疲れ様でした!


当日の様子

当日の様子は、以下のTwitterでのつぶやきまとめをみていただくと、より臨場感がつかめるかと思います。
http://togetter.com/li/1008965

そして、こちらの写真をみていただくと、雰囲気もわかるかと思います
https://www.flickr.com/photos/142066247@N06/albums/72157671276606862



━━蛇足(めんどくさいこというよ)━━━━━━
個人的には、中窪さんの「シビックテックは容量・用法を読んで疲れないようにやりましょう!」という言葉が心に刺さりました。
CivicTech井戸端会議でも「シビックテックという言葉に踊らされている気がする」と言っていた方がいたのが印象的で、「シビックテック」という言葉だけが先走っている感触を受けました。

いろいろな地域をまわりお話を聞く中で、各地域のシビックテックの理解がかなり違うことを感じています。例えば
 ・「シビックテック=オープンデータ」と思われていたり...
 ・シビックテック団体は無料でアプリを作ってくれるボランティア団体と思われていたり...
 ・各地のCodeforは全然別の団体ということを知らなかったり...

シビックテックに関しては、人それぞれの考え方があるので「これが正解」というものはないと思っていますが、
「自分の考えるシビックテックはこうだと思います。」
っと、腹落ちした言葉を伝えられる人は、シビックテックという言葉に踊らされていない感じがして信頼できます。

私は、AppLEAGUEの土黒さんがおっしゃったように、大事なのは「人」だと思います。中窪さんのコミュニティマネジメント能力がシビックテックにおいて最も重要だというのも、結局は人が大事ということなのではないでしょうか。
技術があるだけでも、データがあるだけでも、何も生まれないと思っています。
そして、幸運や情報は、人を介してやってきます。

なので、今回のようなイベントを通して、様々な人の考えに触れ、一緒にやっていきたい「人」、相談したい「人」、を見つけ、さらには自分なりのシビックテックを考えるきっかけになったら嬉しいと思います。




著者プロフィール:鈴木まなみ(@rin2tree
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CivicWave運営メンバーの一人。
2歩先の未来をよむブログメディア「TheWave」の湯川塾の事務局を務め、テクノロジーの最新動向をウォッチしながら、コミュニティ運営や執筆活動中。
また、MashupAwards8〜11の事務局を務め、内外のコミュニケーション全般を担当。