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ガジェットやプログラミングは「子ども」と「大人」が一緒の目線で遊べるおもちゃ

「教育分野のICT活用」や「STEM/STEAM」などに興味のあるみなさま。
そして、地域で子ども向けのワークショップイベントを開催してみたいと思っているみなさま。
ちょっとかわった「子ども向けテクノロジー体験イベント」に興味ありませんか?

政府が2020年から義務教育でプログラミング教育を必修化する方針を示し、子ども向けのプログラミング教育に関連するイベントが多く行われるようになりました。
今年(2016年)のこどもの日には、「Hour of Code Japanこどもの日1万人プログラミング」というイベントが、全国100ヶ所以上の会場で開催されました。
また、7〜17歳の子どもを対象にしたプログラミング道場である「CoderDojo」などに参加された方も多いかもしれません。今年の8月には日本で初となる「DojoCon」の開催も決まっています。

その中で私が注目しているイベントがあります。
それが、「for Our Kids」という会社が手がける、子ども向けテクノロジー体験イベントです。

なぜ注目しているのか?というと、その会社が大切にしていることが、
 ー子どもたちが人生を楽しむ力を身に付けること
だからです。プログラミングを教えることや、論理的思考を教えることだけではなく、「イキイキとした大人と子どもを会わせたい!」というコンセプトをもちながら、その手段(触媒)としてガジェットやプログラミングなどを活用しているからです。

他の子ども向けイベントと大きく違うことの一つは、Tokyo MotionControl Network(以下:TMCN)というセンサー系の新しいガジェットを試したがる大人のコミュニティと活動母体が同じということ。
つまり、楽しむ大人が集まる仕組みをもっており、そんな大人達が企画しているということです。

そして、TMCNとして行っている子ども向けイベントの特徴の一つは、Kinectなどの誰でもわかりやすいインタラクション(触れる、動く)を伴うテクノロジーを楽しんでいる子どもの写真が多いということ。
もちろん、「for Our Kids」のイベントは、それを受け継いでいます。
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そんな「for Our Kids」を多くの方に知ってもらい、もっといろいろなところでイベントが開催され、子どもたちがたくさんのイキイキとした大人と出会えたらいいな。と思うのでご紹介します。
そのことは、子どもたちの未来の選択肢を広げることに繋がる気がしています。


目指すのは、誰でも、どこでも、教えられる場の提供

「for Our Kids」はまだ出来たばかりの会社で、TMCNという「センサー系の新しいガジェットを試したがる大人のコミュニティ」から派生した会社です。
現在はPETS(さわれるプログラミング教材ロボット)を教材としたイベントを、TMCNのメンバーを中心に事業展開していますが、将来的には、「誰でも」「どこでも」子どもに教えられる場を提供していきたいといいます。

事業展開のイメージとしてはKUMONのお遊び版です。そのためには
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などを総合的に提供できるパッケージを考えていきたいとの展望を聞かせてくれました。

※日テレ「ヒルナンデス」で紹介されたPETSの動画

多くの子ども向けのイベントを開催するにあたり、感じている課題が2つあります。それは、
 ・教える人のスキル
 ・インフラ
という問題です。

PETSは本体に矢印のコマンドブロックをはめることで動くロボット。プログラミングを体感で覚えます。
シンプルな仕組みなため、プログラミングのスキルがなくても教えることができ、インターネットも利用しないため、wifi環境などのインフラも必要ありません。
その点において、「誰でも」「どこでも」扱える教材として優秀だといいます。

ただ、子どもはみなそれぞれ感じるものが違います。PETSはあわないけれどlittleBitsは楽しいという子どももいます。そのため、教材に関しても、様々なものを扱っていきたいと考えているそうです。

過去にTMCNとして開催した子ども向けワークショップイベントはこんな感じです。
 ・子どもテクノロジー学習体験教室
 ・littleBitsでみんなの街を作ろう!デモ展示&ワークショップ
 ・プログラミング脳を育む「PETS」体験ワークショップ
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 ※littleBitsでみんなの街を作ろう!ワークショップの写真


「人生を楽しむ力を身につけてもらいたい」という想い

「for Our Kids」が子どもに一番提供したいものは、「人生を楽しむ力を身につけること」とFounderの3人は口をそろえていいます。
そのために大切なことは以下の2つだと教えてくれました
 ・イキイキとした大人(お手本)と出会うこと
 ・欲求をひきだすこと

「for Our Kids」の元となるTMCNというコミュニティは、まさに「人生を楽しんでいる」大人たちの集まりで、みんなイキイキとしています。
MESH、Kinect、Hololensなど、新しいガジェットや技術がでてきたら、「触らせてください!」っと企業に打診し、自分達の興味の赴くまま、いろいろな新しいおもちゃを触っています。
TMCNとして、様々な最新技術に触れる中で、子どもたちに伝えたいものも多くあるそうです。
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Founderの一人である伊藤さんはこう言います。
まずは大人が触り、その反応をみて、子どもたちと一緒に楽しめる教材となるのか?を判断していきたい。子どもむけワークショップの教材は、「まずは大人が楽しむ、楽しめるかどうか」が大事だと思っています。

人生を楽しむ力を身に付けるには、お手本となる大人が必要です。
TMCNの子ども向けワークショップイベントのいいところは、子どものため「だけ」ではなく、「大人も楽しむ」ことを大切に考えられているところです。

そして、人生を楽しむ力を身につけるために、もう一つ大切なことは「欲求をひきだすこと」です。
幾つかの教材を準備し、「夢中になったところを伸ばしてあげたい」とのこと。
例えば、フィジカルなものなのか?コード的なものなのか?など、どのポイントにハマっているのか?を見極め、言語化するお手伝いをしたいそうです。
「これがやりたい!」と言語化ができたら、いろんな人に伝えられるようになります。
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パソコンにむかうばかりのイベント以上に、子どもが楽しんでいる顔が思い浮かびませんか?


ガジェットは子どもと大人を対等な立場でつなぐための「触媒」

やりたいことが言語化でき、「これやりたい!」と伝えることができるようになった時、「それは無理でしょ」という大人ではなく、「いいね!おもしろそう!」と言ってくれるような大人と出会えると、その子どもはどんどんと伸びていきます。

ワークショップで子どもの欲求を引き出し、好きなことを言語化をし、「いいね!」といってくれる大人がたくさんいるコミュニティにつなげていくこと。
そこまでが、「for Our Kids」のミッションだと教えてくれました。

「for Our Kids」の最大の強みは、そんな「いいね!」といってくれるような大人たちを増やす活動をしている「TMCN」と活動母体が一緒だということです。
TMCNのプログラミング学習の全ステージで共通していることは、「人とのつながり・教え合い・表現・Fun!」です。

これは、「for Our Kids」も同様です。
大人が子どもに教えるだけではなく、子どもも大人も関係なく、つながり、教え合い、楽しむ。
大切なのは、教育ではなく、ともに学習するということ。
そして、ガジェットやプログラミングには、子どもと大人が対等に楽しみ、教え合う、そんな世界を作り出す力があり、子どもと大人をつなぐための「触媒」と考えているそうです。
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そして、その活動は東京だけでなく、関西(Kansai MotionControl Network:KMCN)、東北(Tohoku MotionControl Network:ToMCN)、福岡(Fukuoka MotionControl Network:FMCN)、広島(Hiroshima MotionControl Network:HMCN)、など全国各地に広がっています。
イキイキした大人は各地にいるけれど、個人ベースで活動するとこじんまりしてしまい、なかなか見つけられないため、日本規模でつなげていき、そんな大人と子どもが出会う場を創っていきたいそうです。
なので、子ども向けワークショップも、東京だけでなく全国各地から相談を受け付けています。

こんな考え方や取り組みに興味を持たれた方は、是非一度イベントに顔をだしてみてください。
「for Our Kids」が開発した教材などの、試験的なワークショップの企画運営を一緒に仕掛けてくれる仲間を探しているそうです。
8月に開催予定のイベントはこちらになります。
 ・8/7 パソコンなしで、プログラミングの基礎が学べる 「PETS」を使って遊ぼう!(六本木)
 ・8/19-20 未来のモノヅクリを体験してみよう! 〜STEM/STEAM Learning Show Case〜(世田谷)
 ・8/28 キッズイベント〜みらいのおしごとdeテレワーク(徳島)

もちろん、ご自分のお子さまを参加させるだけの、普通の参加者としてでもいいと思います。
子どもの笑顔は、親にとって一番の元気の源ですからね。



━━蛇足(めんどくさいこというよ)━━━━━━
個人的には、現在の教育システムにおいて、いろいろなタイプの大人と出会えないことはとても大きな問題だと思っています。
しかし、こういった楽しいワークショップに参加し、いろいろな職種の大人のいるコミュニティと接することは、子どもたちの未来の選択肢を広げることに繋がる気がしています。
だからこそ、「for Our Kids」の活動にはとても注目しています。

そして、「for Our Kids」のとてもいいなと思うことの一つは、バズワードにのって生まれたものでもなく、海外輸入品でもなく、自然発生的に生まれたところです。(これぞお味噌汁理論!)

TMCNのメンバーは小さな子どもがいる30代〜40代の男性が主な層。いろんなイベントを開催していますが、趣味で集まり、楽しみながらしている社外活動なので、基本的に土日か平日の夜が多いとのこと。
自分のもつ限られた時間の中で、趣味のイベントに参加するのか?家族サービスを優先するのか?悩む人が増えた中、こんな声が上がったそうです。

「子どもを連れてこれるイベントやろうよ!」

TMCNの活動をするようになりはや3年。親になるメンバーも増えてきて、
「自然の流れだったように思う」
とFounderの一人である伊藤さんは語ります。
そして、TMCNで子ども向けのワークショップイベントを開催するようになりました。

幸いなことに、TMCNの開催するイベントは、Kinectなど、誰でもわかりやすいインタラクション(触れる、動く)の伴うテクノロジーを扱うことが多く、子どもにいつも大人気。
子ども向けのイベントに「TMCNのメンバーの作品を展示してほしい」といわれることも多いそうです。

そんな活動を続けていたら、シビックテック系のイベントであるCode for Japan SummitやCIVICTECHFORUMなどでも、子ども向けワークショップをしてほしいというオファーがきたとのこと。
いままでは、子ども向けワークショップを目的で参加している人向けにイベントを開催していましたが、これらのイベントは違います。
それなのに、参加した子どもの食いつきはすごく、子どもが楽しんでくれただけでなく、パパやママも「こんなものあるんですね」と、とても興味深く教材(littleBitsやPETS)を見ていました。
そんな体験から、自分たちのワークショップが世の中に求められていることを実感したそうです。

そこで、より多くの方に場を提供したいと考え、しっかりと継続していくためにも、「for Our Kids」が作られました。

計画して作られたものは、想像以上の何かが生まれない気がします。
でも、自然発生的に生まれ、楽しみながら活動している「for Our Kids」には、想像できない何かを生み出すのではないかと期待してしまいます。



著者プロフィール:鈴木まなみ(@rin2tree
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CivicWave運営メンバーの一人。
2歩先の未来をよむブログメディア「TheWave」の湯川塾の事務局を務め、テクノロジーの最新動向をウォッチしながら、コミュニティ運営や執筆活動中。
また、MashupAwards8〜11の事務局を務め、内外のコミュニケーション全般を担当。