26415608691_3e00f679a9_k

日本発!?各地で活動する団体のシビックテック観を可視化

各地で活動するシビックテック団体が集まり、シビックテックについて語り合うイベントとして、先月の4月16、17日にCivicTechMeetup 2016 Kanazawaが石川県金沢市にて開催され、日本全国津々浦々から、総勢約50名の方が参加されました。

シビックテック団体と一言でいっても、コミュニティ指向なのか?GovTech指向なのか?ビジネス指向なのか?など様々な指向があり、目指す方向によってやるべきことは変わります。そこを理解しないで他団体の事例を参考にすると間違った方向に行く可能性は大きくあります。
漠然と参考にするのではなく、自分達の目的に合った施策を見極めて、参考にして欲しいと思っています。

そこで、今回はシビックテックカルテというものを創り、シビックテック観の可視化にチャレンジ。シビックテックカルテは、Code for Americaの「ブリゲイド運営者向けガイドブック」を参考にしながらアンケートを作成し、参加者のおおよその考え方や活動内容を把握した状態で作成したとのこと。今回のイベントのために作られた簡易的なものであり、完成されたものではないですが、指向性を話すきっかけとしてはうまく機能していた気がします。
今回のイベントをきっかけにブラッシュアップしていき、日本版「シビックテック運営者向けガイドブック」を指向別に分けて作成できたらいいね。なんて発言もありました。

指向性がわかるとどんないいことがあるのか?それは相談相手となるべき仲間が見つかることです。シビックテックはまだまだ人によって考え方が違うこと、活動者が各地に散らばっているためなかなか会えないことから、相談相手(仲間)を探すのが大変です。
今回のイベントの目的は、交流し、課題のシェアをして、仲間を探すこと。参加したみなさまは仲間を見つけることができたでしょうか?


合宿の背景

本イベントのように、各地のCivicTech団体が集まる機会は、過去には、2014年8月に、CodeforJapan主催でBrigadeMeetupというイベントが開催されたことがありました。しかし、そういった取り組みはその後おこなわれていなかったため、各地のCivicTech団体が集まることに必要性を感じた有志で、本イベントは企画され、開催されました。それは、誰かに頼ることなく、自分達が必要と思うことを自分達の手で作り出すという、まさに「CIVICTECH」活動そのものなのではないでしょうか。

日本全国津々浦々から集まった、総勢約50名が参加したこのイベントは、初日に温泉宿にてお互いの好きなモノを語り仲良くなるプログラムが開催され、2日目には自分たちの活動やシビックテック観を語り、今後の活動について考えたり仲間を見つけるワークショップが開催されました。


1日目:参加者を知る「ミートアップ」

今回は、帰る時間を気にしないで思い切り飲みニケーションをするために、初日のミートアップは温泉宿で実施したそうです。場所は石川県の金沢市近くの湯涌温泉。温泉に入りたくて参加した人もいるとかいないとか?
まずは実行委員長でもある、Code for Kanazawa(金沢)の福島さんから挨拶。
DSC_0020
「熊本を中心とした地震が発生したため、今日の場でも何かできないかなというのを考えもしたけれど、今日こういうことをやることが長い目で見たら役にたつだろうということで、元々のプログラム通りに行います。(福島さん)」との宣言からイベントは開催されました。

初日はCode for Nanto(南砺)の倉谷さんのファシリテートで交流が進みます。初日のテーマは「人」を知る。
DSC_0026
まずは配られた紙とペンで偏愛マップを書いていきます。偏愛マップとは、紙の真ん中に名前(ニックネーム)を書き、あとは偏った自分の好きなものを名前の周りに自由に書く!というものです。
DSC_0034 DSC_0053

書けたらみんなで円形を創ります。座ったらみんな紙を正面に向け下をむいてください。せーので顔をあげ、目があったと人ペアになります。


ペアになったら、自分の偏愛について語り合います。これを3セット繰り返します。
みんな自分の好きなことを話すので話が弾みますね!!
(※テーマを「自分の好きなこと」にすると、初めての人でも話が盛り上がるそうです。)
DSC_0081 DSC_0076
DSC_0099 DSC_0082

いろんな人に自分のコトを話したら、まずは初日のワークショップ終了。この後は宴会です。
宴会では、事務局が席の前に適当に偏愛マップを置いていき、ランダムに席は決めさせていただきました。(初めての人と話す工夫その 
DSC_0102 DSC_0118

お酒も入っているので、話(情報共有)が進みます。(そしてご飯も美味しい)
DSC_0131 DSC_0125
DSC_0130 DSC_0145

二次会は部屋飲み。みなさま日本酒を持参して飲む気満々です。途中で近くのおいしい餃子屋さんの餃子を差し入れしてくれるという嬉しいサプライズも!!(Code for Nanto(南砺)の森田さんのおもてなし術)
DSC_0154 DSC_0157



2日目:活動やシビックテック観を知る「ワークショップ」

2日目は、シビックテックの未来を語るブレストワークショップです。ファシリテートは本イベント事務局の伴野さん。また途中で金沢市の山野市長が激励にきてくれました。
DSC_0158 DSC_0179
今回のワークショップの目的はこちらの3つ。
 ・CivicTech関係者同士の交流
 ・課題などの共有と相互フィードバック
 ・仲間探し
初日は「人」を中心とした交流でしたが、2日目は「活動」や「シビックテック観」を中心とした交流となりました。

・シビックテックカルテ記入
まずは、今までの活動やシビックテック観について相互ヒアリングをし,シビックテックカルテに記入していきます。カルテは自分が記入するのではなく、ヒアリング相手が書いていくという他己分析方式で作られていきます。3人1組を3セット行なったので、6名の活動やシビックテック観を知れたことになります。他人のカルテを書くことで真剣に聞く効果もありますし、他の人に診断してもらうことで自分を客観視することが出来たかと思います。
DSC_0198 DSC_0199
DSC_0196 DSC_0194

このシビックテックカルテは、Code for Americaの提供する「ブリゲイド運営者向けガイドブック」を参考にしてつくられた事前アンケートの回答を元に、運営委員の方で作成されたものです。
 1.コミュニティ指向性|2.ビジネス指向性|3.GovTech指向性|4.テクノロジー指向性
の4軸を2項目つづ作成し、レーダチャート方式で視覚的に同じような思考をもつ団体を見つけやすくする工夫がされています。


ここで前半戦終了。ランチは同じお誕生日月の人達と一緒に、各々外食です。
(初めて人と話す工夫その◆

・ビジネスオリガミ作成:「3年後のシビックテックの活動のあり方」
後半は「3年後のシビックテックの活動のあり方」についてブレストしていきます。前半で作成されたシビックテックカルテから同じ指向性をもったグループが9つ作られ、1グループ3〜4人で話し合われました。
DSC_0212 DSC_0220

その内容を、ビジネスオリガミでアウトプット。シビックテック活動に登場する要素(人など)の書き出しや、それらの関係性などを模造紙に書いていきます。人型付箋を歩かせたり、立体化に手を伸ばしたり、楽しくやることも重要です。最後に、明日からできる3つのことを記入して、完成!
DSC_0232 DSC_0249

・発表
発表は、グループの中のひとりが残り、他の人に説明するというワールドカフェ形式です。少員数での発表なので、質問なども活発におこなわれていました。
DSC_0253 DSC_0270
DSC_0268 DSC_0271

・成果物:テーマ「3年後のシビックテックの活動のあり方」
すべての紹介はできないので個人的に印象に残ったものを3つだけご紹介したいと思います。
<〆箘罅∧‥隋鳥毛、市川チーム>
真ん中の一人の想いをもった人が、必要性を言葉にします。最初に「聞き役さん」が話を聞いてくれます。そして次に、プロジェクトを一緒に走ってくれる伴走者さんに出会い、その人とイベントなどを実施するなどして、渦の外にいる人(ピンクの人)を巻き込んでいきます。そして次に文章化さんに出会い想いを発信してもらったり、次にエンジニアさんに出会い形(アプリ)にしてもらうといったように、走りながら徐々に協力者を得ながら、想いを持った人を中心に大きな渦となっていきます。前に進む中で、ハードルがあったり、雨の日があったり、山が立ちはだかったりと困難もありますが、それを乗り越え、人が増える度にスピードアップして、ゴールへたどり着くという、シビックテックには多様性やジブンゴトが重要というビジネスオリガミになります。
その中でも伴走者さんが一番のカギで、ゴールに辿り着くまで、想いを持った人物の相談に乗り、応援し、時には注意したりする存在となります。
DSC_0309
そして、その世界を実現するために、明日からできる3つのことはこちらになります。
 ・活動内容を見える化(物語化も)
 ・リアルな場を持ちつづける
 ・伴走者の適切な表現(ネーミング)とマニュアルを作る

<⊆禿帖大山、浦本、山田チーム>
現在の自治体は、まちに住む人達から税金をもらい、開発会社にお金を払って行政サービスシステムを開発し提供しています。シビックテックコミュニティはイベント開催やアプリ開発を通じて市民のニーズやノウハウをつかんでいますが、自治体とは共有されません。また、お金も稼げていません。しかし3年後、シビックテックコミュニティの開発したサービスは市民ニーズに合致しているなどの優位性から、自治体のサービスとして採用される例もあるでしょう。これで、街に住む人からお金をもらいながら、地域のサービスを継続的に運営して行く形になっていくというビジネスオリガミ。さらに、他地域とノウハウを共有し他の街へサービス展開したり、市民向け以外のサービスに改良したりして、そこからもお金をもらう形も描いています。
DSC_0307
そのために、明日からできること3つのことはこちら
・各地のシビックテック団体が成功だけではなく失敗も含んだノウハウ、ストーリーを発信、共有
・他シビックテック団体が作成したサービスの体験利用、可能なら横展開
・自治体や市民向けのITリテラシー向上セミナー


<松本、関、奥野、鈴木チーム>
今は、会社、大学、自治外や中央官庁、市民などそれぞれの檻(常識)の中で活動をし、自分の役割に縛られています。自分の立場でしか価値を見つけられない状態です。しかし3年後はそれぞれの檻からでて、playground上でお互い「人」として付き合いながら活動して行き、その際には、お互いのプロトコルを理解した越境人材(半分オレンジ、半分水色の人型付箋)がたくさんいる世界になっているだろう。というビジネスオリガミになります。
DSC_0297
そのために、明日からできること3つはこちらになります。
 ・知らない世界の人と話をする
 ・このビジョンを発信する
 ・創るを楽しむ


そして、他のビジネスオリガミはこちらになります。(クリックするとflickrにリンクし拡大できます)
DSC_0285 DSC_0289
DSC_0292 DSC_0313
DSC_0298 DSC_0302


ビジネス性が中心にきているチーム、市民自らが動けるためのエコシステムを考えるチームなど、様々なシビックテック観が現れているかと思います。
例えば、Code for Americaは行政のツール改善に重きをおいたシビックテック観ですが、日本は日本のシビックテック観があっていいはずです。自分の活動の活力になる仲間を見つけ、更に前に進んでほしいなと思います。

みなさま、2日間お疲れ様でした!
DSC_0282


こちらのつぶやきまとめや写真をみていただくと、より臨場感を感じられるかと思います。
・Togetter:CivicTechMeetup 2016 Kanazawa
・flickr:CivicTechMeetup2016Kanazawa


┏━━━━━━━━━━
  蛇足
┗━━━━━━━━━━
最後に、今回のイベントがどんなふうに実現にいたったのか?感謝の意を込めてお伝えしたいと思います。

当日のイベントや、オンラインMTG出席など、できる範囲でサポートいただいた
・Code for Sagaの牛島さん
・松尾さん
・Code for Oitano荒金さん
・Code for Japanの関さん
・Code for Shiogamaの小泉さん
・Code for Nantoの宮下さん
・Code for Nantoの倉谷さん

そして、忙しい中、沢山の時間と頭を使い、一緒にイベントを創りあげた
・Code for Kanazawaの福島さん(本イベントの運営委員長)
・Code for Chibaの浦本さん(本イベントの運営副委員長)
・Open Data川崎の小俣さん
・Code for Ibarakiの柴田さん
・MashupAwards事務局の伴野さん
・Code for Nantoの森田さん


これだけの人たちに支えられて、この場が実現しました。本当にありがとうございました。

イベントを作り上げていく中で、個人的にすごくいいなと思ったシーンをご紹介します。
・「役割分担を決める際に僕いなかったかったので何か必要なことがあればやりますよ!」っと申し出て会計係をひきうけてくれた浦本さん。
・一番大変なチケット作成担当がなかなか決まらなかった時に、「僕やりますよ」っといってくれた柴田さん。そして、作業をする中で必要だと気付いたことを次々と率先してやってくれました。
・「これやってもらえる人いませんか?」っと相談を投げかけると、「僕やりますよ」と何度もボールを拾ってくれた森田さん。
・会場まで下見にいったり、宿側と交渉したりと一番重いタスクを引き受けてくれ、メンバーからのありがとうという言葉に対して「ホストですから当然です」といいながら取り仕切ってくれた福島さん。
・今回のイベントのためにシビックテックカルテを考えたり、全体の司会や写真撮影を急に引き受けてくれた伴野さん。
・そして当日のイベントの受付、ファシリテート、備品の準備など、Code for NantoとKanazawaのみなさまと、小俣さんのイベント現場力には本当に助けていただきました。

なんか、シビックテック的、助け合いを多く感じたイベントでした。